市民発電所を見学してきました

 今、太陽光や風力など再生可能エネルギーを利用して、市民が出資する「市民発電所」が日本各地にできています。3.11の原発事故以後、脱原発や再生可能エネルギーへの関心が高まりました。実は、2000年代から「北海道グリーンファンド」が手掛けた市民風車「はまかぜちゃん」を皮切りに市民がつくる自然エネルギーの事例が少しずつ積み上がってきていました。そして、3.11以降は先駆者の例を学びながら、またNPOや環境省の支援などによって次々と新しい事例が増えてきているのです。

 都内では、江戸川区の「足温ネット」がお寺の屋根に、世田谷区の「世田谷みんなのエネルギー」は協会の屋根に、多摩市の「多摩電力」は大学の屋根に太陽光パネルを設置して市民共同発電所を運営しています。

 練馬でも市民発電所をつくりたい、という思いを持つ仲間が集まり、まずは先駆事例を学ぼうと小平市の「こだいらソーラー」を見学してきました。2月22日(土)、2週続けて大雪の週末で心配しましたが、当日は太陽光発電日和でした。練馬からは17名、総勢20名以上が集まり、都内の市民発電所への関心の高さを感じました。

 西武国分寺線の一橋学園駅から徒歩10分ほど、4階建てのビルの屋上に太陽光パネルが見えてきました。小平市の委託を受けたごみ収集事業者が所有している建物です。

 NPO法人太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)の田中さんから説明を受けました。効率良い発電のためにはパネルの傾斜は30度が最適だが、設置場所の条件によって変える必要があります。ここは屋上に設置することで、北風の抵抗を考慮して12度の傾斜になっています。また、将来の屋上の防水処理をする際に発電の妨げにならないような構造になっています。

 

 

 

 

 

 NPO法人こだいらソーラーの都甲理事長は「太陽の光は、あまねく世界に降り注ぐ自然の恵み。豊富な太陽エネルギーを燃料とする太陽光発電は、誰もがトライすることができ、様々な魅力にあふれている。創エネと省エネでエネルギーシフトをするのが市民発電所の目的です」と未来を大きく変える可能性の魅力を語りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

事業化の課題として、

・長期間安定して借りられる場所を探すのが困難なこと

・事業化したからには(収益が少なくても)法人住民税を捻出しなければならないこと

などいくつもの高いハードルがあります。一方で発電量だけでなく消費量も見える化することでさらに節電意識が高まることや自宅に太陽光パネルを設置できない人も参加できること、最低限の独立型非常用電源として地域に役立てることができることなど市民発電所の魅力も再確認できました。

 練馬でも市民発電所が実現できるように活動していきます。多様な人材を募集中です。興味を持っていただいた方、ぜひ生活者ネットまでご連絡ください。仲間と一緒に活動しましょう。