「難民認定審査を担う第三者機関」の設置を求める陳情に賛成

練馬区議会第四回定例会最終日(12月15日)、「難民認定審査を担う第三者機関」の設置を求める陳情に賛成討論しました。
討論を終え、自席に戻った時に「犯罪者を放置してどうする~」(と聞こえました)というヤジがあったことをここに記しておきます。

以下、討論原稿です。


生活者ネットワークを代表して、陳情第25号「出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正について」の願意に賛成の立場で討論を行います。

この陳情の要旨は、今年6月9日、第211回通常国会において成立した「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律」に、難民認定の透明性を確保するための「難民認定審査を担う第三者機関」を設置するよう国にはたらきかけることを求めるものです。

この法律の改正案は、2021年の通常国会に提出されたものの、認定NPO法人難民支援協会をはじめ国内外から人権上の問題点が多いと指摘され、その後廃案となった法案を実質的な修正がおこなわれることもなく再提出されたものです。

非正規滞在者の帰国を徹底させる、難民認定三回目以降の申請者は強制送還を可能にする、強制送還を拒む人に対しては刑事罰を加えることも可能にするなど、日本に逃れた難民の保護や処遇の悪化につながる内容であると、多くの非難の声が上がりました。
今年の国会に改正案が提出された当初、支援者の間でさえ「すんなり可決されてしまうのではないか」と心配されていました。しかし、難民審査における一部の参与員への偏りやずさんな審査、大阪入管の医師酩酊診療問題など、国会での審議中に次々と問題が明らかになり、多くの国民が抗議の声をあげたことで国会審査に時間をかけることになり、さらに注目、関心を集める結果になりました。強行採決によって可決されたことは非常に残念です。

日本に住む難民と移民を知る・関わる・応援する「難民・移民フェス」が11月に杉並区で開催されたことをめぐり、杉並区議会ではヘイトスピーチまがいの発言がなされ、区内外から多くの批判の声が上がりました。
「難民・移民フェス」の第1回目の開催が、ここ練馬だったこと、多くの区民がボランティアとして参加し、私自身も関われたことを誇りに思っています。今年5月、まさに国会で入管法が審議されている真っ最中に再び練馬でフェスが開催され、昨年の第1回目の4倍以上の約3600名が来場し異文化・多文化交流、理解が深まりました。

難民・移民フェスが開催された地元、練馬で「何もせずにいられない!」と、フェスのボランティアメンバーが中心となって、あっという間にスタンディングの企画が固まり、5月24日から入管改正法案が国会で可決するまで約20日間、連日、練馬駅周辺でスタンディングが実施されました。法案成立後も「施行されるまでに問題点を指摘し続けることが重要」と毎月スタンディングが継続されています。市民運動が盛んな練馬ですが、入管法改悪反対アクションは新しい、若い世代が参加する市民活動として展開しています。
入管法改正や難民問題を人権問題と考え、アクションを起こす若者が出てきたことは希望です。

日本の難民認定は他国と比較して非常に厳しいとされ、世界でも類を見ない極めて少ない難民認定数です。
「難民の受け入れは、その国の人権感覚を測るバロメーター。その点から言うと、日本の人権に対する考え方が、世界のトレンドから取り残されていると感じる。今回の法改正は、世界的な難民の保護と逆行する。難民を迫害の恐れのある国に送還してはならないとの国際原則に反し、強制送還が可能になった。世界から、日本の人権感覚が問われている」と、難民を支援する人々は述べています。

練馬は、過去からの地域課題を受け止め人権施策に積極的に取り組んできた経緯があります。

委員長報告では、保護すべき者を確実に保護するための方策や収容を巡る諸問題への対応策など、入国管理における課題の解決に必要な施策が盛り込まれている、とされていますが、そもそも、外国人を排除する出入国管理と、保護の理念に立つ難民認定は同じ機関が所管すべきではなく、難民認定審査を担う第三者機関の設置は、法の適正な運用にも必要であると考えます。

したがって、陳情第25号は採択すべきと申し上げて、生活者ネットワークを代表しての討論を終わります。