「外環の2(前原交差点~新青梅街道)の事業計画の中止等」を求める陳情に賛成

練馬区議会第四回定例会最終日(12月15日)、「外環の2(前原交差点~新青梅街道)の事業計画の中止等」を求める陳情に賛成する討論をおこないました。

以下、討論原稿です。


生活者ネットワークを代表して、陳情第15号「外環の2練馬区間(前原交差点~新青梅街道)の事業計画の中止等を求めることについて」の願意に賛成の立場で討論を行います。

東京外かく環状道路(外環)の地上部街路(外環の2)は、1966(昭和41)年、高速道路の 外環とともに、都内の都市計画道路ネットワークの一部として都市計画決定された道路です。
東京外環道は沿線7区市の住民から受け入れられず1970年から凍結されていましたが、2001年、当時の都知事が「お茶の間に土足で上がるようなことはしない」、国交大臣が「迷惑はかけない」などと言って、高架であった計画を地下化し、計画が動き出した経緯があります。東京外環道の地下化とともに地上部の外環の2の計画はなくなったと受け取った住民は少なくありませんでした。

外環の2は、現道がないために多くの住民の立ち退きが必要とされるため、複数の関係権利者が計画の見直しを訴えるなど、沿線住民の合意形成はできていません。

陳情が出されている前原交差点~新青梅街道間は、2021年に現況測量が、2022年に用地測量が実施されていますが、コロナ禍を理由に住民説明会が開かれず、説明が不十分なままと感じている沿線住民は少なくありません。

さらに、都市計画道路ネットワークと言いながら、青梅街道以南の杉並区や武蔵野市では住民と行政の対話が続き、道路計画がストップしています。「なぜ、練馬区だけなのか」「これで道路のネットワークといえるのか」など、交通インフラを整備するという根拠が揺らいでいるのでないかとの声が出ています。

また、交通センサスの調査結果によれば、交通量の増加や混雑状況の悪化はすでにピークを過ぎており、コロナ禍を経てさらに減少に転じています。都市計画決定時から大きく社会状況は変わっており、計画ありきですすめるべきではありません。

道路建設は工事期間中の騒音や振動、交通上の安全確保、事業完成後の環境など、関係権利者だけではなく、むしろ地域に住み続ける住民の暮らしに影響を及ぼします。今回の陳情で示されている地域は、高低差の激しい区間があり、どのような道路のつくりになるのか、今のところ明確に示されていません。
少なくとも、外環の2ができることで、自然環境や住環境にどのような影響がでるのか、事業費や事業期間も併せて沿線住民に示し、合意形成を図るべきです。

この陳情が審査された日、外環の2の整備に合わせて外環の2の沿道やその周辺の将来に向けたまちづくりの検討を進める「外環の2沿道富士街道北部地区まちづくり協議会」の設立とそのメンバーを募集する「まちづくりニュース創刊号」が対象区域にポストインされました。担当課は、「全く意識していなかった」といいますが、道路計画に違和感を持つ住民の神経を逆なですることにならないか、配慮できなかったのかと残念です。

以上で、生活者ネットワークとして陳情第15号の願意に賛成する討論を終わります。