緊急事態宣言後の切実な区民の声をもとに要望書を提出

4月7日、国は改正特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令、都知事が発表した「緊急事態措置」を受け、練馬区は、8日、「新型コロナウイルス感染症に対する練馬区方針」を更新しました。
私たちのところには、これまでにも増して、さまざまなご意見や相談が寄せられています。迅速な対応が必要なものはその都度対応を求めてきましたが、4月21日、寄せられたご意見等をもとに生活者ネットワークとしての要望書にまとめ区長あてに提出しました。

 

練馬区長 前川燿男様

新型コロナウィルス感染拡大防止対策についての要望

                                  2020年4月21日                                                                                       生活者ネットワーク

4月7日、国は改正特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令、都知事が発表した「緊急事態措置」を受け、練馬区は、8日、「新型コロナウイルス感染症に対する練馬区方針」を更新しました。

保健、福祉、教育、産業、防災などあらゆる区政運営において、「災害」といっても過言ではないような厳しい事態の対応に日々奮闘する、区職員ならびに医療関係者などの懸命な努力に心から感謝いたします。
4月20日現在、区内で感染が確認された方が143人、また、光が丘病院の看護師の感染も確認され、区民は大変不安な日々を過ごしています。
区民の生命を守るためにも区民の協力を最大限に求めながら速やかに万全の対策を講じていただき、さらに、市民生活への影響には細心の配慮が必要だと考えます。
4月1日には、DVや児童虐待への対応強化について要望いたしました。緊急事態宣言後、生活する区民の切実な声や意見・要望が届いています。あらためて、下記の項目についての区の体制及び考え、今後の見通しを回答いただきたく要望いたします。

 

医療、保健体制の強化
・ 感染の疑い・不安を抱える市民に、的確に対応できる発熱外来体制(窓口)を国や都の指導のもと、区医師会および区内医療機関に協力を得て確立してください。
・ PCRの検査を受けるまでの期間が長く、また、検査から判定までの日数が練馬区は他区に比べて長いと報道されています。PCR検査の体制を整備してください。
・ 東京都医師会がPCRセンター(仮称)の設置を表明しました。練馬区の人口、感染者の増加を踏まえ、早期に最低2ヵ所の設置を要望します。また、練馬区医師会との検討状況と区内にいつ頃、何か所設置するのか、見通しをお聞きします。
・ 院内感染、家庭内感染、職場での感染などを終息させる方法を検討するためにも、感染率を調べる抗体検査と疫学調査が必要との指摘を受けています。PCR検査と合わせて抗体検査と疫学調査の有効性を早急に検討し、自治体で実施できるようバックアップする体制を都および国に求めてください。
生活・経済支援
・ 国と東京都の支援、また従来からある自治体支援をわかりやすく情報発信してください。
・ 新型コロナウイルス感染拡大に伴う不況に苦しむ区民や事業者等へ、公共料金、税金等の支払いに対する配慮策を考慮してください。また、手続きに必要な証明書については、減免してください。
・ 不安定な仕事に就く単親家庭など生活困窮者への状況確認を行い、緊急的な資金援助(各種緊急貸付)などを柔軟に運用してください。
・ 突然の失業などにより生活困窮に陥っている人たちへの安全な住宅確保や食事の支援、生活保護の手続きなどを早急にお願いします。また、支援団体へのサポートもしてください。
・ 収入が途切れることによる家賃の未払いや、24時間営業の飲食店・インターネットカフェの休業により安定した住居を持てない市民に対し、東京都の住宅支援や自治体の生活困窮者支援事業などあらゆる公的支援を駆使して救済してください。

子どもたちの学びを止めない支援
・ 直ちにオンライン授業の導入は難しいと認識していますが、インターネット環境(パソコンやスマートフォン、タブレットなどの機器)が十分でない家庭を調査するなど、今後に向けた対応を検討してください。また、ネット環境が十分でなく、国や都の学習サイトが見られない家庭の児童生徒への学習支援についても早急に検討してください。
・ 各学校の判断に任せるだけでなく、授業の映像化など区教育委員会が率先して、等しく学ぶ機会を検討してください。
・ 外遊びや友達とのふれあいができずストレスが高まっている子どもたちに向け、心のケアができるようなメッセージを随時発信してください。
・ 新入学・進級したばかりの児童・生徒一人ひとりとクラス担任のコミュニケーションを図る工夫をおこなってください。
・ 5月7日に再開が予定されている学校等の運用について、できるだけ早く保護者への情報提供をお願いします。

保育園および預かり保育での職員への配慮
・ 保育が必要な状況があることを理解するものの、就業することで感染リスクが高まることを懸念する職員は少なくありません。職員の不安に応えるよう、委託事業者や私立幼稚園などの運営主体に働きかけてください。

社会的弱者を守る支援
・ リスクの大きい障がい児者および保護者、施設の職員からの不安の声を受け止め、必要とする支援の把握と迅速な対応をしてください。また、支援が途切れないようにしてください。
・ 給食休止期間、希望する家庭に対し登校しての給食利用、配食サービスなど様々な方法を駆使し、バランスの取れた昼食を提供し子どもの食を保障してください
・ デイサービス利用停止時も含め、自分で買い物や食事の準備の難しい独居高齢者などの食の状況を調査し、必要な配食体制を整えてください
・ 子ども食堂や高齢者の会食などの休止中の課題について早急に調査し、再開に向け課題解決の準備を進めてください
・ 自宅に帰れない事情の若者が仕事や行き場を失い、危険な状況にさらされています。情報収集と相談体制を充実してください。

深刻化が懸念されるDV・児童虐待防止
・ 学校の長期休校や保護者の仕事の休業、会社からのテレワーク要請などで、家庭内での DV や児童虐待の問題が深刻化していることが明らかになっています。いつもにも増して、家族が密室化されて、逃げ場、逃げる時間が無い状況です。DV や虐待の相談窓口が「非常事態宣言」下でも継続していることを周知してください。
・ 支援の必要な家庭には積極的に安否確認し、支援を途切れさせないようにしてください。

以上

私たちも、一日も早く新型コロナ禍が終息し、普段通りの生活に戻れるよう力を尽くします。