「計画」に明記されるって、こういうこと!

「なぜ今年から男女混合名簿になったのでしょうか??」

4月に入って間もなく、区内の中学生からツイッターのダイレクトメッセージが届きました。

え、そうなの!?
問い合わせを受けたこちらの方が驚いてしまいました。

私たちは、男女平等の意識を高める、生まれ持った性別に違和感を持つ子どもたちへの対応などの視点から、男女混合名簿の導入をはたらきかけてきました。

練馬区内では、小学校は約7割が男女混合名簿を採用しています。
しかし、中学校では、数年前まで1校だけ採用していましたが、昨年度まで全校が男女別名簿を採用しているという状況でした。

私は、中学校の先生と接する機会には、必ず男女混合名簿についての考えを伺ってきました。しかし、ほぼ全員が「男女別の授業があるから」と言う理由で、難色を示していました。
2018年度に生活者ネットが実施した「男女共同参画に関する自治体調査」の結果を見ても、小中学校すべてが男女混合名簿という自治体が複数あります。中学校で1校も男女混合名簿を採用していない「練馬区に驚いた」という反応があるたびに、何とかしなくてはと、繰り返し要望してきました。

今年度から5か年の男女共同参画施策や人権施策を推進するための、「第5次男女共同参画計画」が3月に策定されました。
「人権尊重と男女平等の推進」の施策の「教育の場における男女平等の推進」の新たな取り組みとして、
区立学校において、男女混合名簿の作成を前向きに検討し、男女平等教育を推進します。
と明記されたのです。

人権・男女共同参画課と教育指導課、双方に確認したところ、どちらも「校長会では話をしてきたが、まだ実態は確認していない」とのこと。
特に、教育現場では、新型コロナウイルス感染拡大防止のための一斉休校の延長で、通常では考えられない状況に直面しているので、今すぐに実態を把握するのは困難であると理解しますが、収束した折には今年度の採用状況を確認したいと思っています。

これまで、議会質問で取り上げても「学校の判断に任せている」の一点張りでしたが、計画に明記されることで大きく前進したと感じています。
第5次計画には、「標準服の選択肢拡大」も明記されています。5か年のうちに取り組む学校が増えていくことを期待しています。

男女共同参画計画は「女性の人権問題」として策定されてきた経過があります。
男女雇用機会均等法施行から30年以上経った今でも、男女の格差は歴然としています。また、共働き家庭における家事分担は、いまだに圧倒的に女性の方が長時間で、性別役割分業意識も根強く、男女平等施策は確実に進めていかなければなりません。

しかし、多様な性・多様な生き方を認め合うことや、ヘイトスピーチなどの差別的言動の解消に向けた啓発や理解促進などは人権問題として捉え、施策を推進するための計画が「男女共同参画計画」とは別に必要ではないでしょうか。
また、策定の経過で議論されたものの、5次計画には明記されなかった「パートナーシップ制度」などについても、引き続き導入の検討を求めていきます。

これからも、一人ひとりが生まれながらに持つ人権が尊重される区政を求めて発信していきます。