自転車の安全教育について~一般質問より~
警察庁が昨年5月の春の交通安全運動を前に、交通事故の状況を分析したところ、2022年の1年間に全国で発生した自転車に関係する交通事故は6万9985件と2年連続で増加。全交通事故のうち、自転車が関係する事故の占める割合が23.3%と、同じ方法で統計を取り始めた2003年以降で最も高くなったとのことです。
自転車も「青切符」導入へ
警察庁が自転車による交通違反への導入を検討している「反則金制度」いわゆる「青切符」について、16歳以上を対象とすることや対象の違反や取り締まりの運用方針などについて、複数の報道がありました。
反則金制度の導入は、悪質、危険で迷惑性の高い自転車運転者を減らし、事故を防止することを目的にしていますが、取り締まりの前提はルールや規則の習得の機会を確保することだと考えます。
現状でも「自転車運転者講習制度」が
現状でも自転車の運転に関し、3年以内に2回以上一定の違反行為や交通事故を行った者に対して課せられる「自転車運転者講習制度」があり、14歳以上が対象です。受講には費用がかかり、受けなければ罰せられます。
実際に中学生の保護者から「イエローカードをもらって親子ともにショックを受けたが、自転車の交通ルールを再確認する機会になった。でも、いったい、どれほどの子どもたちや保護者が理解しているだろう、もっと知らせるべきではないか」と要望を受けました。
そこで、自転車の安全教育のさらなる充実を求めて一般質問で取り上げました。
安全利用の取り組み
練馬区自転車利用総合計画では、4つの柱のトップに「まもる 安全・安心」を掲げ、自転車安全利用の周知・啓発と自転車の安全教育機会の充実に取り組んでいます。
区内の小学生は3年生で教材を用いて自転車の安全な乗り方を学び、中学校の3年間の間に自転車等の事故をスタントマンが実践し、事故の衝撃や状況を実体験を通じて伝えるスケアード・ストレイト方式の安全教育を受講する環境を整備しています。また、子育て世代の保護者への啓発にも取り組んでいると聞いています。しかし、区内を走行する自転車利用者への更なる周知啓発が必要と考えます。区の考えをお聞かせください。
区の答弁
安全利用を促進するため、小中学生や子育て世代の保護者だけでなく、高校生や高齢者など年齢層に応じた交通ルールの周知・啓発を展開している。
特に、課題となっている若者への啓発を進めるため、中学校で実施しているスケアード・ストレイト方式による安全教室を高校に拡大した。今後、大学等に拡大する。
自転車は「車のなかま」、当事者意識の喚起を
自転車は、道路交通法では軽車両に位置付けられており、「車のなかま」であり、道路を通行するときは「車」として、交通ルールを遵守するとともに交通マナーを実践するなど安全運転が求められています。
自分だけではなく他者の身を守るための自転車の安全利用の啓発と同時に、事故を起こした時の対応についても、もっと周知・啓発が必要です。自転車同志、また歩行者と接触したとき、救急車や警察を呼ぶことや警察官による事情聴取を受け事故の状況を説明しなければならないことなど、車両事故と同様の行動が求められていること、リスクを負って自転車に乗っているという自覚、当事者意識を促す取り組みが必要です。区の考えを伺います。
区の答弁
ホームページやパンフレット等で交通違反による罰則や、自転車事故による高額な賠償事例等についても周知している。
いのちを守る取り組みである自転車ヘルメット購入費助成の実施にあたっては、他人にけがをさせてしまった場合などは損害の賠償が必要となることを説明し、保険等への加入を勧奨している。
引き続き、警察とも連携して、交通安全の周知・啓発に取り組む。
車の運転には免許証が必要で、免許を取得するために交通規則などを習得する機会があります(しなければならない)。一方、自転車は、たいていの人は乗ることが先で、あとからルールを身につけていくというように、かなり意識していなければ道路交通法に触れることも自転車が車の仲間であると意識することも難しいのではないでしょうか。
自転車を快適に利用するためにも、安全運転を実践してほしいと思います。また、区の安全教育の充実に注視していきます。