高齢者相談センターの名称変更で地域包括ケアの充実となるか

2017年2月27日 12時02分 | カテゴリー: 地域・福祉・医療

「地域包括支援センター」と聞いて、何をするところかわかりますか?

高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として、介護だけでなく福祉、健康、医療など様々な分野から総合的に高齢者とその家族を支える機関です。練馬区では、「区民の皆様にわかりやすく親しみやすいものとするため」として、法令上の名称である「地域包括支援センター」を2009年度から、「高齢者相談センター」と呼んでいます。

区は、高齢者相談センターの運営体制を2018年度再編し、さらに、「地域包括支援センター」へと名称変更すると発表しました。23区で、「地域包括支援センター」と呼んでいるのは9区です。練馬区と同じように独自の名称を使っているケースとして、江戸川区の「熟年相談室」、板橋区の「おとしより相談センター」、北区の「高齢者あんしんセンター」などがあります。練馬区の「高齢者相談センター」という名称も他の自治体では「練馬区のように、わかりやすい名称にすべき」と評価する声もあり、「今回の名称変更は後退じゃない?」と心配されました。高齢者が相談する、あるいは高齢者の相談をするなど高齢者のことを相談するセンターであることがわかる名前である現在でも、本人や家族が相談窓口につながらないケースが後を絶ちません。

運営体制を再編し、訪問支援事業に力を入れる計画ですが、対象が一人暮らし高齢者と高齢者のみ世帯に絞られているので、家族と同居の高齢者や介護する家族へはどのような支援が受けられるのか心配です。

25か所の地域包括支援センターはすべて委託事業になります。住んでいるところで担当するセンターが決まってくるのですから、事業者ごとに対応の差が生じることは、区民にとって不利益をこうむることにつながります。また、職員の能力も大きく影響しますので、人材確保・人材育成は重要です。事業者任せにせず区が支援する必要があります。

高齢者相談センターは、具体的な困りごと、たとえば「歩行がスムーズにいかなくなったがどうしたら良いか」「ひとりぐらしの親が心配」などの相談にはアドバイスや支援につないでいます。しかし、「何となく不安」「誰に相談すればよいのか」といった漠然とした相談には対応しきれていない、あるいは当事者にとって満足な回答を得られていないという事例を聞いています。センター職員には高齢者の相談を受け、的確な情報を提供する役割が求められています。

今後、働き盛りで家事には疎い息子と高齢の親という暮らしもますます増えていくと思います。家族の困りごとも受け止められる体制を求めていきます。また、生活困窮や介護と保育、いわゆる「ダブルケア」の問題など、地域の困りごとを包括的に支援していく、一人ひとりを地域でトータルに支える「地域包括支援センター」になるよう注視していきます。