世界の軍拡競争にピリオドを打つために
東京・生活者ネットワークの機関情報誌「あっちこっちNET」に掲載しました
戦後79年 今こそ、地域から平和を!
ロシア・ウクライナ戦争の長期化。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの爆撃。スーダンの内戦。さらに、イスラエル軍によるレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラへの攻撃が中東の紛争拡大につながることを懸念するとともに、暴力の支配によるおびただしい数の犠牲者を目の当たりにして、無力感を感じている人は少なくないはずです。
一方、日本では「台湾有事」を理由に、九州から沖縄にかけての南西諸島に自衛隊の駐屯地の開設やミサイル部隊の配置などの防衛力を強化。防衛省は計画の初年度にあたる2023年度予算を「防衛力抜本的強化の元年予算」と名付け、2023年度から5年間の防衛力整備に43兆円を見込んでいます。
スウェーデンの研究機関によると、去年の世界の軍事費は2兆4430億ドルと9年連続で増加し、1988年に統計を取り始めて以降、最大規模となったとのことです。収束の見通しがたたない戦闘行為と「抑止力」としての軍備増強を見過ごしてよいのでしょうか。否、平和を遠ざけるだけだと私は思うのです。
練馬は、市民活動がたいへん盛んな地域です。その基になっているのが、区民と区内の労働組合が手をつなぎ、地方自治や区政を共に考え、議論し、よりよい練馬区をめざす地方自治研究会(以下、区民集会)です。
区民集会には、「子育て・教育」「保健福祉・医療」「まちづくり」「清掃リサイクル」「平和・基地」の5つの分科会があり、私は平和・基地分科会に所属しています。練馬には自衛隊の駐屯地が2カ所(朝霞駐屯地の所在地は練馬区)あり、駐屯地内では米軍との合同訓練が行われています。また、ここ数年の間に「防災訓練」が名目の行進訓練や、区のイベントとして子どもの制服試着体験が行われるなど、世界でも上位に位置する軍事力を持つ自衛隊組織と区民生活との接点が近くなっていることや重要土地規制法の注視区域の指定が市民生活に与える影響などを懸念し、「平和・基地分科会」として啓発活動に取り組んでいます。
今年の夏、安倍政権下での安保法制反対と集団的自衛権行使を阻止するために全国自治体議員が結集して設立した「平和・立憲・人権をつなぐ全国自治体議員会議」が設立10周年を迎え、大分県で記念講演を開催。大分出身のジャーナリスト吉田敏浩さんの講演「軍事優先社会 大軍拡とミサイル基地・弾薬庫と空港・港湾の軍事利用」と併せて県内の日出生台(ひじゅうだい)演習場で展開されている訓練の問題点などを共有。都内にも横田基地があり、全国各地で海外の軍隊との合同演習が行われ、世界規模で軍事化が進んでいることを認識させられました。
練馬の地で私たちが毎月9日に反戦平和のメッセージを掲げる「9条スタンディング」は、18年以上続いています。来年は戦後80年。あらためて、地域から平和を訴えていかなければ、と意を強くしている今日(こんにち)です。