参加者との意見交換で充実した「香害」出前講座 

生活者ネットワークでは、区民からの要請で出前講座 (リアル、オンライン対応)に応じています。私自身が加入してる生協の組合員から「香害」の出前講座の要請があり、8月31日に開催しました。

DVD「香害110番」から5年、現状は?

まず、日本消費者連盟が作成したDVD「香害110番」を鑑賞。
その後、練馬区が2019年に作成した香害や化学物質過敏症を啓発するリーフレット(23区で初めて。その時は先進的取組だった!生活者ネットの議会質問も大きく関与!)や学校での取り組みについて、
国が啓発ポスターを作成し、国交省から交通機関に周知した(一応)こと、民間事業にも合理的配慮が義務付けられたことから厚労省から「化学物質過敏症に配慮した対応を求める」事務連絡が発出されたこと、
DVDは2019年に作られたものです。
この5年間で、「香害」の周知はそれなりに進みました。一方で、体臭や生乾き臭を消す「消臭」やコロナ禍を経て「抗菌」が盛んにコマーシャルされ、そのために使われる化学物質による健康被害はより深刻になっています。

予防原則に基づく対策が必要

衆議院議員の山岸一生さんが、まち石神井のインスタグラムを見て関心を寄せていただき、参加されました。DVDでは、省庁交渉のシーンが出てきますが、PFASや紅麹の問題でも同じようなやりとり(原因究明のための調査のことなど)が繰り返されている、根っこは同じではないか、と国の状況を共有できました。また、「予防原則」のヨーロッパ型に対して、初めは自由だが問題が明らかになると規制するなど速やかに対応するアメリカ型の考えがあるなかで、日本はアメリカ型だが問題が生じてもなかなか対応しない(あるいは極端に反応が遅い、鈍い)構造であると指摘しました。
参加者からは、駅のトイレの芳香剤や周囲から発散される「香り」で具合が悪くなる、「お下がり交換会」の活動を通して柔軟剤は必要ないことなど伝えている、空気中の化学物質は低い所に滞留するので赤ちゃんやペットへの影響が心配などの発言があり、とても充実した講座になりました。
毎日TVコマーシャルで目にする、スーパーやドラッグストアで市販されている日用品によって健康被害がを生じて、場合によっては仕事や通学など社会生活にも影響することを想像するのは難しいのが現状です。しかし、「香害」は特別な人だけが被るのではなく、ある日突然発症し、誰にでも起こり得る問題です。

国会での質疑や地域での活動など、
参加された方から、さらに拡げて「香害」の啓発が進むことを期待します。私自身も「香害」がなくなる社会の実現にさらに力を入れていきます。

 

生活者ネットワークでは、区の職員と連携して防災についてや、「プラスチックゴミ」「香害110番」「終わりのない原子力災害」「希望の給食~食と農がつむぐ自治と民主主義~」などのDVDを活用した出前講座に応じています。練馬・生活者ネットワークかやない克子のサイトの「お問い合わせ」からご連絡ください。