STOP!マイクロカプセル香害

洗濯洗剤や柔軟剤などの日用品の強い香り成分の化学物質による健康被害について、生活者ネットワークは度々議会質問で取り上げ「香害」への理解と配慮を求めてきました。練馬区独自の啓発リーフレットの作成や小中学校への周知、国が作成した啓発ポスターの掲示などが実現しました。また、メディアでも取り上げられるようになり、以前に比べるとぐっと世間の認知度は高まったと感じています。

ところが、「香害」による健康被害は深刻になる一方です。

洗剤メーカーへの署名提出と記者会見

「香害をなくす連絡会」「カナリア・ネットワーク全国」「香害をなくす議員の会」の3団体は、昨年10月から「<STOP!マイクロカプセル香害>メーカーは『マイクロカプセル香料』などの『長続き』製法をやめてください!」というキャンペーンを開始。石けん洗剤工業会と洗剤メーカーの花王、ライオン、P&Gに提出するための署名(オンラインと紙)活動に取り組んできました。

約3か月半の間に集まった署名は8889筆。
1月22日 石けん洗剤工業会と洗剤メーカーの花王、ライオンに署名提出。
1月23日 衆議院議員会館で院内集会を開き、署名で集まった被害者の切実な声や地方議員の取り組みなどの紹介、前日の署名提出を報告。会場52人、オンライン113人
1月25日 P&G(神戸市)に署名提出(受け取り拒否の為、郵送)

私は、22日の署名提出は公務のため参加できませんでしたが、23日の院内集会にスタッフとして参加しました。複数のメディアで集会の模様が記事になり、ひとりでも多くの人の気づきになることを期待したいです。

・香害をなくす連絡会
2017年に活動開始。日本消費者連盟、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、有機化学物質削減ネットワーク、化学物質過敏症支援センター、日本消費者連盟関西グループで構成。
・カナリア・ネットワーク全国
2021年発足。生活用品などに含まれる微量合成化学物質による被害者と支援者のネットワーク。
・香害をなくす議員の会
2022年8月発足。超党派の地方議員を中心に約120人が参加。課題解決に向けて定期的にオンラインで会議を開催。

マイクロカプセル香害はプラスチック問題

メーカーは、柔軟剤の香りを持続させるために、香料成分をマイクロプラスチックで包み込む「マイクロカプセル」を使用します。この方法は肥料にも使われています。マイクロプラスチックは下水に流れ込み、下水処理場で取り除くことができずに川や海に放出されますが、自然界では分解されないため世界的な環境汚染につながっています。

魚介類に蓄積され、回りまわって人体への影響が懸念されるところまで来ています。
EU(欧州連合)ではマイクロプラスチック規制案が採択され、2028年からマイクロプラスチック入り洗剤などが販売禁止になるそうです。

環境問題としても対策が必要です。
引き続き、予防原則に基づく化学物質対策を求めていきます。

会場参加した生活者ネットの仲間
左からこはまかおる国立市議、安田けいこ小金井市議、岩永やす代都議、吉田ゆみこ品川区議、やない