「香害」の周知の拡充を 決算質疑より

私たちは、洗濯柔軟剤や芳香剤などの強い香り成分の化学物質が原因で健康被害が生じていることをこれまで度々議会で取り上げ、「区民の健康を守る視点」で対策するよう、政策提案してきました。
第三回定例会の決算質疑では、区や国が作成した啓発ポスター等の活用を求めました。

洗濯洗剤や柔軟剤、芳香剤などの日用品の強い香り成分の化学物質による健康被害は、この半年間だけでも多くのメディアに取り上げられ、特にNHKの複数の番組で特集されたことで以前に比べるとぐっと世間の認知度が高まったと感じています。それに比例するように、寄せられる相談も増えています。

一方で、「香りの害(香害)」に関心を持つ区民の方自ら、啓発のアクションを起こすケースも増えてきて、とても心強く思っています。
たとえば、「町会の回覧板で区が作成したリーフレットを扱ってほしい」などです。ところが、町会の役員さんから「区から降りてきたものじゃないと回覧することはできない」と断られたというのです。

そこで、決算質疑で回覧物の要件などについて質問したところ、町会等の掲示板のルールに準ずれば町会員からの提案は受け入れられることを確認しました。
あらためて、担当課から各町会に共有することを求めました。

「甘えるな!」のヤジが・・・

回覧板は町会員宅のみですが、もっと多くの区民に周知するために、公設協力掲示板(まちなかの区の掲示板)に区や国が作成した啓発ポスターの掲示を求めました。ところが、定期的に掲示を求める発言の最中に「甘えるな!」のヤジが聞こえてきたのです。

「甘えている」のは誰なのか?何が「甘えている」ことになるのか?あるいは、単に私への嫌がらせなのか不明ですが、ヤジを飛ばした議員は、健康被害に苦しむ区民の姿は想像もできないのでしょうか。相談を寄せられたこともないからそんな発言ができるのだと思います。

新たな香害「抗菌・消臭」へ

抗菌は、新型コロナウイルス感染拡大に対する「清潔」。消臭は、体臭や雑菌を起因とするニオイ対策として、「抗菌・消臭」を謳う洗剤や柔軟剤が増えています。また、「香害」の認知度が上がるにつれて、製造メーカーもそれを意識した商品開発やCMに変化していると感じています。ところが、抗菌・消臭のための新たな化学物質による健康被害が生じており、より深刻になっています。

「香害」は、日常的に市販されている日用品が原因で健康を害したり、突然発症し、誰にでも起こり得る新たな公害として捉え、予防原則に基づく対策が必要です。引き続き「健康を守る視点」で、化学物質の基準の見直しなど、区や都、国へ対策を求めていきます。

「化学物質過敏症・香害・SDGs」パネル展を見学

このパネル展は今年5月に大阪府堺市で開催され、大きな反響を呼んだそうです。今回の主催は、中央大学文学部プロジェクト科目「今、そこにある公害」。
「あなたも気づいて!イノセント・ポリューション(悪意なき汚染)」と訴えています。
身近な日用品に含まれる化学物質によって引き起こされる「香害」。空気や水が汚染され、健康被害で苦しむ人がいることを多くの方に知ってほしいと思います。
会期:10月31日(火)22時まで(日曜休館)入場無料
場所:中央大学多摩キャンパス(多摩モノレール「中央大学・明星大学」駅下車)中央図書館1階ホール

「香害」啓発のための自治体の取り組みのファイルには、練馬区が作成したリーフレットもありました