5省庁連名「香害」啓発ポスター、改定へ!
洗濯柔軟剤や制汗剤、芳香剤など暮らしの中で使用されている香り付き(場合によっては無香料も)製品の化学物質によって、健康被害が生じていることは、これまで度々取り上げてきました。
自治体独自で啓発リーフレットを作成し対応してきた自治体もあります(練馬区も)が、2021年、ついに国は、消費者庁・文部科学省・厚生労働省・経済産業省・環境省、以上5省庁連名のポスターを作成し、自治体に情報提供しました。
しかし、「その香り、困っている人がいるかも?」という表現に対して、「現実に困っている人がいる実態が伝わらない、改善すべき」という意見が複数出ていました。
日本消費者連盟をはじめ、関係団体が粘り強く働きかけた結果、今年度ようやく文言修正されました。
「知ってください‼その香り、困っている人もいます」
「困っている人も」は、「困っている人が」にしてほしいとも思いますが、まずは一歩前進と考えます。
昨年2月の参議院で岸田首相が「(公共交通機関など)公的な場における香りの配慮の周知を図る」と答弁したことを受け、被害者団体が国交省に事態に即した施策の推進を要望したところ、鉄道やバスなどの交通各社に国が作成したポスターを周知する等の変化が見られます。
また、つい最近、NHKの朝のニュースで取り上げられました。それだけ、健康被害の訴えが全国的に広がっているとも言えます。しかし、健康症状と化学物質との因果関係を立証することは困難です。だからこそ、予防原則に基づいた対策が必要です。
「香害」は、化学物質による健康影響とともに、香り成分を閉じ込めるマイクロカプセルが下水から海へ、乾燥したのち大気中に飛散するなど、大きな環境汚染の問題にも通じることだと指摘されています。
引き続き、自治体での対策、自治体を超えて市民団体や自治体議員と連携して国への働きかけなどに取り組みます。
2021年版
改訂版