約13億円の補正予算。賛成はしたけれど・・・

区は「急激な円安を背景にした食料品等の物価が拡大・長期化するなか、真に生活に困窮する区民への更なる支援として、低所得の子育て家庭に対して区独自の給付金を『子ども一人あたり一律10万円』を支給する補正予算を提案。

対象見込みが8500世帯12,900人、12億9000万円の臨時給付金について、12月6日に質疑しました。

なぜ、子育て家庭が対象なのか

国の交付金を活用するには、事業の組み立てから完了までさまざまな制約が自治体に課せられ、迅速な給付のためには「既存のしくみ=児童扶養手当受給者」を中心に事業を組み立てた結果、子育て家庭を対象にしたとのこと。

認定NPO法人「キッズドア」が、年末年始を控え、団体が支援する困窮子育て家庭の保護者約2800人を対象に11月11~16日、ウェブ上でアンケートした結果、
家計維持のため、「食費を減らしている」と回答したのは84%、被服費が74%、「日用品を減らしている」が62%だった。
また、「必要な栄養がとれていない」が70%
「勉強に集中できなくなった」が31%
「風邪などの病気になりやすくなった」が28%
「身長や体重が増えていない」など、「悪い影響がでている」との回答が約半数に達したとのこと。

低所得の子育て世帯への支援が必要だということは明らかであり、納得できることだと考えます。

非課税世帯が課税世帯に?10万円の給付が8000円に⁉

新型コロナウイルスの感染拡大により、休校・休業の措置が取られるなか緊急経済対策として全国民を対象に一律10万円を支給した「特別定額給付金」や、直近では10月に発表された「令和4年度住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」など、国が実施する給付金は収入と見なされず、課税対象にならない、生活保護制度における「収入認定」としない制度設計になっています。

今回の給付金は区独自で取り組むものなので、収入と見なされることになるのだそうです。

その結果、現在、非課税世帯であっても、場合によっては来年課税世帯になる可能性もあります。
また、生活保護世帯においては、保護費の返還や制度の停止など即影響することから、「給付金を受給しない」選択をせざるを得ない場合も出てきます。また、受給額は子どもが何人でも8000円になるとのことです。
「真に生活に困窮する区民」への更なる支援と打ち出していますが、生活保護世帯は結局支援の対象から外されるのと同じといえるのではないか、あまりにも理不尽だと感じます。

区は「収入認定除外項目」の拡大を国に求めていると答えましたが、基本的には「制度上仕方がないこと」という姿勢です。

補正予算可決後、速やかに対象者に案内を送付することになりますが、通知文には「収入と見なされる」ことがわかるように表記するとのことです。また、担当のケースワーカーが不利益にならないように対応するとのことですが、給付事業に伴い区の職員の負担も増大することになります。

「真に生活に困窮する区民」は子育て家庭だけなのか?

食料や光熱費など、前例がない物価高は、コロナ禍で窮地に追い込まれた非正規・派遣・フリーランスなどの不安定雇用で命をつなぐ方々を直撃。これまで「水道の停止は命にかかわる」として、東京都水道局は水道料滞納者を訪問して催告する対応をしてきましたが、郵送による通知だけで給水停止になるケースが急増しているとのことです。現に、私たちの元にも区内在住の若者からSOSが届いています。

また「他の自治体では給付事業があるのに区の事業者支援は貸付に関連するものだけ。支援は不十分」と
区内の個人経営や零細事業者からの訴えが届いています。

限られた財源の中で給付の対象をどう考えるか、区の説明責任が求められます。また、区としても自治体が活用しやすい交付金のしくみを国に要望すべきです。

私たちが納めた税金は福祉の充実のために使ってほしい

国は、地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細やかに実施するために、新形コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を交付するとしていますが、実際には自治体の裁量は制限され、タイムリミットがあるなど「真に困窮する区民」への支援には不十分であり、場当たり的と言わざるを得ません。

物価下落を理由に引き下げられたままの生活保護費。物価高騰しているのですから、一刻も早く国に引き上げを求めるべきです。

また、困っていることを自治体に相談することができずに福祉に繋がっていない人へのはたらきかけや継続的に支援するしくみの構築など、福祉施策のさらなる充実が必要です。