国の「香害」啓発から1年、現状は?

消費者庁・文部科学省・厚生労働省・経済産業省・環境省、以上5省庁連名の啓発ポスター作成から約1年経過しました。

最近「ノンプンプンでいきましょう」「広がりすぎず、私だけ発香」をキャッチコピーにした柔軟剤のCMを見かけました。
香りの害に苦しむ被害者にとっては何の解決にもならないのですが、「香りの害」を訴える声が確実に広がり、認知され始めている証しともいえるのではないでしょうか。

「香害」出前講座

区内で営業している店舗型の生協から「『香害』出前講座」の依頼がありました。

起業メンバーは、環境や人体への影響、安全性を追求する生協の理念を理解し共感し事業運営にあたっていますが、新しい働く仲間が増えるなかで「自分たちの当り前」を共有することが難しいこともあるとのことです。さまざまな研修をしている中で、今回は「香りの害」についての啓発する機会をつくったとのことでした。

日本消費者連盟が制作のDVD「香害110番」を視聴し被害者の実態やこれまでの国などへの働きかけなどをお伝えしました。
議会での質疑や練馬区で作成した啓発リーフレットのこと、消費生活センターや保健相談所の対応、学校など子どもたちへの対応など、練馬区の状況をお話ししました。

当たり前に市販され、毎日のようにCMが放送されている商品が健康被害の原因になっていることに気づくことは簡単ではないと感じています。被害者の中にも、何の疑問もなく市販されている洗剤や柔軟剤を使っていたところ、ある日突然、めまいや呼吸困難に陥り「化学物質過敏症」を発症してしまった人は少なくありません。

また、新型コロナウイルス感染予防のための消毒用アルコールの多用で症状が深刻になっている実態もあります。

練馬・生活者ネットワークでは、香りの害や化学物質過敏症に関するDVDや図書の貸し出しに応じています。ご要望があればお問い合わせください。

出前講座は8月31日。会場とオンライン合わせて約20名の方に聞いていただきました。

「香害をなくす議員の会」が発足

日本消費者連盟が事務局を務める「香害をなくす連絡会」が実施した、2012年~2021年の10年間の「香害」関連の調査によると、(少なくとも)国会議員6人、都道府県議会議員24人、市区町村議会議員187人が議会質問に取り組んでいるとのことです。
私自身も2018年から(少なくとも)6回議会で取り上げています。

「香害をなくす連絡会」の呼びかけで、地方議員を中心に「香害をなくす議員の会」が発足し、8月10日にオンラインでキックオフ会が開催されました。全国から約70名の地方議員が参加しました。

そして、8月末現在、約80名の議員が会員登録しています。
全国の議員間で情報を共有し、自治体や国、メーカー等に有効に働きかけていくためのネットワークを生かしていきたいと思います。

暮らしの中にある洗剤や柔軟剤、消臭剤などの主成分や添加剤の化学物質の有害性や複合影響など、国が調査し規制することが求められています。企業の経済活動優先から国民の健康を守る視点で取り組むよう、引き続き自治体から改善を求めていきます。