「市民による振動・騒音調査」説明会を開催
調布市の陥没事故を受けて約1年半停止していた大泉ジャンクション事業用地内のシールドマシンが、2月25日に再稼働しました。
没事故周辺の被害住民の方の中には、長時間にわたってシールド工事による振動や騒音を体感したことで工事が停止している現在でも揺れや音に過敏になって苦しんでいる方が複数人おられます。しかし、家屋調査以外の事前調査がされずに、工事前の計測データが存在しないのです。そのため、どれくらいの振動だったのか、騒音だったのか、それが人体にどのように影響したのか検証が困難で十分な補償が受けられない状況です。
シールド工事再開にあたり事業者が示した「振動・騒音のモニタリングの強化」は、あくまでも公用地で実施するものです。
外環道沿線で暮らす住民の体(健康)への工事の影響を明確にするためには、住宅の中で事業開始前から継続して計測し、データを取る必要があると考えます。
本来であれば事業者の責任において調査すべきですが、現在、NPO法人市民科学研究所と連携して市民レベルの調査を実施しています。
練馬区の外環沿線での調査を始めるにあたり、市民研の上田さんから調査の方法などについて説明を聞く会を開きました。
上田さんは、2020年のJR新横浜駅近くの市道環状2号線の陥没事故現場周辺に住んでいるので、外環の陥没事故が起こった時「他人ごとではない」と直感し、振動・騒音調査に取り組み始めたとのことです。現在、東京外環沿線だけではなく横浜環状南線、リニア新幹線沿線の住民とも連携して調査しています。
調査方法は、専用のアプリケーションを入れた中古のiPhoneを個人宅のWi-Fiにつなぐだけ。
計測データは常時、大学の研修室に送信されて蓄積されます。計測する住宅では、日々の記録(例えば、近くで道路工事があった、孫が遊びに来た、など)をとっておくことで、計測データと暮らしの中の振動をすりあわせることができるのだそうです。
当然、暮らしの中の振動も反映されますが、複数個所で計測することで地震や工事などによる「共通の振動」との判別ができます。
説明会には3名の沿線住民が参加しました。
早速、おひとりがiPhoneを持って帰り、設置してみるとのこと。また、使っていないiPhoneがあればアプリケーションをダウンロードして計測器として使えるとのことです(iPhone8以上の機種)。
費用はかかりません。ご関心のある方、ご協力いただける方は「お問い合わせ」からお知らせください。