ピースウォークin練馬に参加

今年6月に成立した「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(以下「重要土地調査規制法」)。
米軍や自衛隊施設、原発などの「重要施設」周辺1㎞の土地の利用実態や所有者などの個人情報を、政府が調査可能にするとともに、土地の売買などに制約を加えることを可能にする法律です。

11月23日、区内で反戦・平和活動に取り組む複数の市民団体の呼びかけで、朝霞駐屯地から1㎞地点を実際に巡る「秋のピースウォークin練馬」に参加しました。

練馬区には、陸上自衛隊練馬駐屯地と朝霞駐屯地があり、周辺地域が「注視区域」に指定されることは十分考えられます。特に、朝霞駐屯地には陸上自衛隊総司令部など司令部機能が集中していることから「特別注視区域」に指定されると言われています。

「特別注視区域」に指定されると、重要事項説明の対象になるとされていて、宅地建物取引士は売買契約にあたって説明を行うことが義務付けられるとのことです。
「居住している、所有している土地が区域内に含まれる可能性があるということになれば、調査対象になったり、場合によっては報告を求められることも考えられ、そのようなことを嫌ったり、面倒だと考える人が増えれば、不動産価値が下落するなどの影響が出ることも考えられる」
法案審議に際し、参議院内閣委員会において参考人招致された馬奈木厳太郎(まなぎいずたろう)弁護士は指摘しています。

ピースウォークで巡った地域は、静かな住宅街で敷地面積が広く大きな戸建て住宅も少なくありません。その一方で、空家と思われる家屋もあり売買が発生するときに影響は出ないだろうかと心配になりました。

馬奈木弁護士は、この法律の根底にある「特定の国と特定の国の人を潜在的な脅威とみなす」発想や重要施設周辺の住民を犯罪予備軍とみなす発想は、憲法の平和主義に反するとも指摘しています。

内閣総理大臣が求めれば、地方自治体の長は対象の住民の個人情報などを提供することになり、地方自治にも逆行するものではないかと考えます。

「重要土地調査規制法」は可決されましたが、全面的な施行は2022年9月の予定です。ひとりでも多くの方にこの法律の問題点を知っていただきたいと思います。

参考図書
「住民・市民を監視する 土地規制法」(かもがわ出版)
著者 馬奈木厳太郎、土地規制法を廃止にする全国自治体議員団

後ろに見えるのが朝霞駐屯地内の電波塔

 

入り口の自衛官は小銃を携帯しています

参加者は地元在住の方を含め30名。事情通の説明を聞きながら約2時間半歩きました。

終わったころにはすっかり夕暮れに