縄文時代からの水辺の調査とゴミ拾い
私が加入している生協では、毎年、区内4か所で近隣の水辺の水質や生物の調査活動に取り組んでいます。
今年も調査活動の季節がやってきました。私が所属する石神井、関町を中心とする組合員グループがトップバッター。
7月25日(日)の午後、おとな9名、こども2名が参加し、毎年調査している、練馬区立大泉井頭公園で水質検査と周辺のゴミ拾いをしました。
公園周辺は、一見、ゴミが見当たらずきれいな印象ですが、植え込みの中にはペットボトルや空き缶が。特に、ベンチの周りには吸い殻やキャンディーの包装が集中しているのが明らかにわかりました。
たった半周しただけで、これだけのゴミが集まりました。
缶やペットボトルは、飲んだ後かるくすすぎ、資源回収に回せば「ゴミ」にはなりません。
かさは小さいけれど、圧倒的に多いのは、吸い殻。花火の燃え殻もありました。
風が強い日に飛ばされて川に落ちたら、海洋汚染につながり、それは、回りまわって私たちが暮らす環境にも影響します。
これを読んでくださっている方は、ポイ捨てなどしない人ばかりだと思いますが、気が付いた時にごみを拾ってくださることをお願いします。
縄文時代からの水辺を共有
今年は、白子川源流・水辺の会の活動日に合わせ、会員の方からお話を聞くことができました。
親水公園となっている、井頭公園の南端七福橋周辺が白子川の源流とされていますが、区内で唯一、自由に水辺に下りられる(鍵が必要なく)川ではないか、とのことです。
縄文時代からあたりは広大な湿地帯で、周辺からは遺跡や遺物が多数発見されています。
海抜50メートルの位置にあり、武蔵野台地の湧水が出ているそうです。石神井公園や井の頭公園もかつては湧水が出ていたが、現在は枯れてしまった、井頭公園周辺では、雨が降ればかろうじて湧水が出る状態を保っているとのことです。
会の活動日だった当日は、川に生息している生きものも展示していて、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている「ホトケドジョウ」を確認することができました。
湧き水でなおかつ流れがゆったりした白子川の環境だからこそ、ホトケドジョウが生きられるのであり、この環境を保全していかなければ、すぐにでもこの地域では見られなくなってしまいます。
外来種のザリガニはたくさんいましたが、幸いなことにブルーギルなどは放されていないとのことです。生態系に影響してしまうので、家庭で飼育できなくなったからと、むやみに近くの水辺に放すのはやめてくださいね。
水質はどうだった?
「川の水調査セット」を使った検査の結果は、というと
20年間、毎月計測している会員の方によると、源流周辺は他の川に比べると「かなり良い水質」と。
「水に反応しやすい物質」の量を調べる「COD 化学的酸素要求量」は、雨水や川の上流にあたる「1」を示しました。
「かなり良い水質」ですが、窒素類の量を調べる「硝酸態窒素」の値が他に比べると高く、周辺の農地で使用される窒素肥料の影響ではないだろうか、とのことでした。
飲むことはできないけれど、絶滅危惧種のホトケドジョウも元気に泳げるこの環境を次の世代にも引き継ぎたいですね。
水質調査は、毎年おこなっています。区内の他の3か所はこれからです。興味のある方、参加してみたい方は、このサイトの「お問い合わせ」からご連絡ください。