シールドマシン掘進に抗議
東京外かく環状道路(関越~東名)の工事は、昨年10月に調布市の住宅地で発生した陥没事故を受けて、すべてのシールドマシンの掘進作業は停止しています。
7月13日、事業者は、大泉ジャンクションから南下する事業用地内の地盤改良区間に停止している「北行本線」と「ジャンクションFランプ」を掘削する2機のシールドマシンを「安全確保」のために135~145m掘進させると、報道発表しました。
事業者のひとつであるNEXCO中日本の担当者の説明によると、本日(13日)中に事業用地の東西約300軒に、作業の概要や相談窓口開設についてのお知らせを配布するとのことです。
「安全確保のために必要最小限の掘進」と言いますが、145mの区間を約5か月間シールドマシンを稼働させることについて、作業開始日の直前に公表し、住民への十分な説明が果たされていないことは住民無視と言わざるを得ません。
また、今回の掘進で事業用地のほとんど最先端まで進むことになります。
地表に影響が出るのではないかと心配する住民にとって、シールド工事が再開されれば有無を言わさず「民有地の大深度を掘進しますよ」という事業者の姿勢に写るのではないでしょうか。
セメント改良地盤での掘進作業停止が、シールドマシンの故障の原因や切羽の不安定化などを生じさせることは、予測できなかったのでしょうか。
地表面に影響する=陥没事故につながることを懸念するから「保全措置」を実施する、とのことです。しかし、そうであれば、なおさら早期に周辺住民に説明すべきでした。
今年4月に行われた「陥没事象(のちに事故に訂正)に関する説明会」やその後に寄せられた質問に対する回答がまとめられました。
「陥没・空洞事故については事業者として責任を重く受け止めているところであり、ご批判を真摯に受け止め、安全・安心を最優先に、陥没・空洞箇所周辺の住民の方々をはじめとする皆様との信頼を取り戻すよう努めていきます」と言う回答が複数あります。
今回の事業者の姿勢は、矛盾しているのではないかと考えます。
住民無視の事業者に対して抗議し、命と健康を蔑ろにし、暮らしを犠牲にする外環道工事の中止を求めます。