調布市道の陥没事故、ようやく委員会に報告

10月18日に発生した、調布市東つつじケ丘2丁目の東京外かく環状道路(関越~東名)(以下、外環)本線シールドトンネル工事現場付近の住宅街の道路陥没事故(「事象」と表記されているが、明らかに「事故」でしょう!!)、その後発見された地中の空洞等について、11月18日の交通対策等特別委員会に報告がありました。

それでも早期実現なのか

事故発生から1か月。道路陥没と本線シールド工事との因果関係や調査方針などを検討、審議する「東京外環トンネル施行等検討委員会 有識者委員会」(以下、有識者委員会)はすでに3回開催されています。工事区間約16㎞のうち約4.5㎞が区内西部を南北に通る自治体として、あまりにも反応が遅く、危機感が感じられません。

当日は、委員会の設置目的である大江戸線の沿線に関連する視察が組まれていたため、約1時間のうちに報告、質疑と時間が限られている中、正副委員長を除く、委員10名全員が質問しました。

外環の早期実現を要望してきた会派の委員から
「陥没等と外環のシールド工事の因果関係を究明中なのに、事業者が地元住民に謝る映像が放映されたことは遺憾」と発言がありました。事実は「因果関係は調査中だが、避難する事態となったことについて、NEXCO東日本の社長が陳謝した」ということだと説明がありましたが、発言した委員には、道路陥没周辺の住民がどれだけ不安に思っているかという視点がないことに憤りさえ感じました。

他にも複数の委員から早期の原因究明と事業再開を求める発言があったのは残念です。

徹底した情報公開を

私は、有識者委員会について質問しました。
今のところ、陥没事故の原因究明を担っている有識者委員会。しかし、その構成メンバーは、新たに2名が加わったものの、本線シールドトンネルを推進するために設置された「東京外環トンネル施行等検討委員会」の学識委員がそのまま就任しています。「中立的立場で審議する」と規約には記されていますが、適正な評価ができるのか甚だ疑問です。
また、現在公開されているのは「議事概要」のみ。さらに、有識者委員会開催後の発表の対象は記者のみです。

原因究明のためには、構成メンバーに住民も入れた第三者委員会を設置すること、詳細な議事録を公開することを外環沿線自治体として事業者に求めるよう要望しました。

外環(関越~東名)は事業施工期間を2021年3月31日までとして、事業承認・認可されていますが、期日までに完成しないのは火を見るより明らかです。今年度中に事業期間の延伸承認・認可申請が行われることになるでしょう。

これまで大深度法に基づき「地上には迷惑をかけない、影響はない」と進めてきた外環道のシールド工事ですが、すでに大深度法の前提が崩れていると言わざるを得ません。
徹底した情報公開なくして、工事の再開、事業期間延伸申請を容認することはできません。

11/8に開催された青梅街道インター周辺の住民集会では、インターチェンジ建設反対とともに本線トンネル工事の問題も提起され、共有した。