練馬区のPCR検査体制について

「PCR検査センター(光が丘第七小跡地に設置)が閉鎖されてしまって、練馬の検査体制はどうなっているんだ!」

「広い練馬区にPCR検査センター1か所では、足りない」、「ドライブスルー方式では、自家用車が無い人はどうすれば良いのか」などの課題があったPCR検査体制。
区は、第2回定例会中に、6月末で光が丘第七小跡地のPCR検査センターは閉鎖し、7月からは区内の医療機関で唾液によるPCR検査を実施することで、検査体制を拡充する方針を示していました。

冒頭の言葉は、区の施策について比較的関心のある(と思われる)区民の方からの問い合わせです。
区は、ホームページで新型コロナウイルスに関連する情報発信をトップに据えてお知らせしていますが、議会での質疑や報告によって得られた情報が適切に区民に届いているか、どのように知らせているか、確認する必要があることをあらためて認識しました。

区報では、
7月1日号で「PCR検査が身近な診療所で受けられるようになります」のタイトルと、簡単な説明とコールセンターの電話番号、PCR検査センターの閉鎖についての記載があります。
7月21日号では、紙面の1/3のスペースで検査の流れのイラストを掲載して、目を引く工夫は感じられました。
区のホームページはこちらをご覧ください。

担当課長に運用状況を確認したところ、
コールセンターで医療機関を案内する際に「PCR検査のための受診には事前に予約が必要」であることを伝えているが、「予約をしないでいきなり来る患者さんがいる」と、医療機関から苦情を受けるケースがあるとのことでした。

なぜ、事前予約が必要なのか

連日、300名に迫る東京都の「新規陽性者数」が発表され、急変して重篤になったり治療が終わって陰性になっても後遺症があるケースなどがメディアでに取り上げられている現状で、多くの人が「新型コロナウイルス感染症は怖い病気」「かかったら大変なことになる」と感じていると思います。新型コロナウイルス感染症を疑う何らかの症状があるからこそコールセンターに相談するわけですから、「一刻も早く検査を受けたい」という気持ちも理解できます。

PCR検査を実施する医療機関では、感染拡大防止のために、
一般の患者と入り口を分ける、時間外に検査をするなどの体制をとっているとのこと。
感染拡大防止のために、受診予約が必要であることを、口頭だけではなくホームページなどでもお知らせすることを要望しました。

感染症についての練馬区コールセンター(5984-4861)は、平日9時~17時まで。時間外は、東京都のコールセンター(5320-4592)をメッセージで案内しています。

検査費用は無料(自己負担分は東京都が負担)ですが、初診料など検査以外の費用は自己負担です。
7月25日現在、442件の検査を実施し、そのうち陽性は35件だったとのことです。

検査と保健所の体制の充実を

自宅の近隣の医療機関でPCR検査を受けられるようになり、確かに検査体制は拡充されていますが、あくまでも「検査が必要」と医師が判断した場合のみです。
東京都は新規陽性者数を発表するだけでマスク着用や「3密を避ける」、「不要不急の外出自粛」などを繰り返す。一方、国は「Go To トラベル」などと言い出し、「新型コロナウイルス感染症」に関して今後の見通しが示されないことに、多くの区民は不安や不信を募らせるばかりです。

感染を心配する人が検査を受けられる体制整備や、費用負担などさらなる拡充を都や国に求めるよう働きかけていきます。

PCR検査の数が増えれば、陽性者の数が増えることになり、当事者の行動経緯や濃厚接触者の聞き取りなど保健所の業務も必然的に増えていくことになるので、保健所の人員体制、人員確保など必要な支援を東京都や国に求めることが必要です。

また、PCR検査は現在の感染状況を確認するためのものです。
陽性であっても無症状や非常に軽い場合があることは周知のとおりです。
PCR検査で陽性が確認されれば、感染防止のために治療・療養先に移動しますが、陽性当事者の周囲には感染させた人がいるわけですから、感染拡大防止のためには、抗体検査も併用する疫学調査で感染経路を明らかにすることが必要であると、感染症の専門家は指摘します。

「ここまで感染が広がってしまったら、もう手遅れかもしれないが直ちに抗体検査を実施すべき」と東京都や厚労省にはたらきかけていますが、今のところ取り組む姿勢はありません。
新型コロナ感染症収束に向けて、あらゆる手立てを尽くすべきと考えます。

練馬区のホームページより