沖縄県民投票から1年、私たちに問われていること
辺野古埋め立て抗議行動に参加
昨年2月24日に実施された、辺野古米軍基地のための埋め立ての賛否を問う県民投票。
投票総数の約7割が辺野古新基地建設のための埋め立てに反対したのに、政府は民意を無視して建設工事を強行し、現地での抗議行動は2000日を超えています。
1月23日、自治体議員立憲ネットワーク(以下、立憲ネット)の沖縄研修に参加しました。
今回の目的はふたつ。
ひとつは、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議行動に参加し、違法な工事に非暴力で抗議する市民に対し、暴力的な排除行為が行われている現状をこの目で確認すること。
もうひとつは、謝花喜一郎沖縄県副知事を講師に、「沖縄の米軍基地問題と日米地位協定について」学ぶことです。
当日の抗議行動には、函館から熊本まで、全国から集まった自治体議員立憲ネットワークの22名参加者の他に、医療団体のグループが加わり、通常の参加者に比べると2倍以上になったとのこと。
立憲ネットの共同代表であり、前沖縄県議の仲村未央さんは「突然の大人数の参加者に排除する警察官が『今日はどうしたんですか!?、なぜ、こんなに多いのですか』と驚いていた。座り込みも40分以上、いつもよりかなり長い時間工事車両の進入を止められた」と励ましてくれました。
しかし、息子より若い、屈強な警察官に排除された後、埋め立て用の土砂を積んだダンプカーなどおびただしい数の工事車両がゲート内に進入していくのをただただやりきれない気持ちで見つめることしかできず、悔し涙が止まりませんでした。
日米地位協定は見直しを
後ろ髪を引かれる思いでキャンプシュワブ前を出発し、那覇市へ。
午後の研修会には、県外からのさらに10名と「立憲おきなわ」の議員が参加しました。
沖縄県は、ドイツ、イタリア、ベルギー、イギリス、オーストラリアの地位協定を調査し、2019年4月に報告書を発表しました。
調査は、
①駐留軍に対する国内法の適用
②領域における空域管理
③「訓練・演習に対する受入国の関与
④航空機事故への対応
の4点を中心にした事例比較です。
自国の法律や規則を米軍にも適用させて米軍の活動をコントロールする、米軍機事故についても受入国が主体的に関与するなど、自国の主権を確立しているヨーロッパ。
これに対して、日本では、原則として国内法は適用されない、日米で合意した飛行制限も守られない、主体的な事故調査や基地への立ち入りもできないなど、大きな違いがあることがわかりました。
調査で明らかになった、世界と比較しても格段に不平等である「日米地位協定」について、国民はあまりにも知らなさすぎると感じました。私たち自身が、歪(いびつ)な地位協定を理解し、平等な関係性を築くために改定を求めていく必要があります。
研修会の後、自治体議員立憲ネットワークとして「米軍基地建設強化に反対し、地位協定の見直し・改定を強く求める」声明を発表しました。
日本に民主主義はあるのか
県民投票から1周年が目前に迫る2月15日、県民投票実施を主導した元山仁士郎さんと琉球新報の新垣毅さんを講師に迎えた講演会が練馬で開催されました。
元山さんは、厳しい言い方になるかもしれないがと前置きしつつ「過去2回の県民投票で『基地は要らない』と示された沖縄の民意を無視するこの国に民主主義はあるのか。沖縄の基地問題は民主主義の問題。国民全員が真剣に考える問題だ」と訴えました。
新垣さんからは、
沖縄が国防、軍拡の道具にされてきた歴史
(日本全国に)中距離弾道ミサイルを配備する計画が進められていて、核戦争に向かっているという危機感
打開するためには
ひと=人権を重んじる
カネ=納税者、社会保障などの観点から増大する国防費に目を向ける
ビジョン=東アジアに不戦の地域共同体をつくる
展望を伺いました。
区内に2か所の自衛隊の駐屯地がある練馬区。大泉学園町の朝霞駐屯地には、戦前の参謀本部にあたる総隊司令部が置かれ、軍都と言っても過言ではないと思います。
憲法より日米地位協定が上位にある現状と自衛隊の増強で、戦争に加担することを懸念します。
日本に民主主義はあるのか、それを望むのか、否か、私たち一人ひとりに突きつけられた問題です。
地域から民主主義を実践し、不戦の実現をはたらきかけていきます。