実機飛行の検証と住民への説明を

都心上空を低空飛行する羽田新ルート。国は予定通り3/29から運行予定です。
先月の実機飛行確認では、問い合わせメールや電話が一時不通になり、私たちにも騒音や落下物などを心配する声が多数届いています。
国は度々「地元の理解を得ながら」と発言してきたのですから、実機飛行確認の検証結果をもとに住民に説明することと、区民の理解が得られなければ飛行経路の運用を見直すべきです。
今定例会で、以上の主旨の「羽田空港新ルートの影響の検証と住民への説明を国に求める意見書」を共産党、立憲民主、市民の声、オンブズ、市民ふくしと共に6会派で議員提案しましたが、残念ながら否決され、自民党などが提出した、新ルート容認を前提とした意見書が採択されました。
以下、提出した意見書と生活者ネットを代表しておこなった賛成討論を記します。

議員提出議案第2号
羽田空港新飛行ルートの影響の検証と住民への説明を国に求める意見書

国が運用開始を決定した羽田空港の機能強化に伴う新飛行ルート計画は、私たちの頭上を低空で飛行することとなり、落下物や騒音など生活に大きな影響が懸念されてきた。滑走路への3.5度の進入角度も、事故の危険性を高めると専門家からの指摘もある。
1月末から行われた「実機飛行確認」における国交省の騒音測定では、練馬区で最大75デシベルに達し、騒音やルートについて住民から不安の声が上がっている。
よって、本区議会は、将来に渡る住民生活への影響を認識し、国交省が実機飛行によって得られた情報から影響を検証し、住民に説明するとともに飛行経路の運用も含め適切に対処するよう国に求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

第2号議案に対する賛成討論

生活者ネットワークを代表して、議員提出議案第 2号「羽田空港新飛行ルートの影響の検証と住民への説明を国に求める意見書」に賛成し、議案第3号「羽田空港の機能強化と地域の良好な住環境の両立を求める意見書」に反対の立場から討論をおこないます。
「羽田空港機能強化」と称して、国際線を増便するために都心上空を低空飛行する新しいルートを設定する計画について、国は、第6フェーズにわたり地域住民に丁寧に説明してきたと言っています。しかし、これまで関係自治体で開催されてきた説明会やオープンハウスでは、落下物や大気汚染、騒音の不安を訴える声が多数出ていますが、不安を払しょくし、納得できるような明確な答は得られていません。
また、騒音など実際に体感できるように試験飛行すべき、と早い段階から要望してきた住民に対し、国は「現行の運用を一定期間停止する必要があり困難だ」と先送りしてきた経緯があります。
運行開始予定日である3月29日が約2か月後に迫る1月下旬、ようやく実機飛行確認が開始されました。案の定、「初めてこの計画を知った」、「サウンドシュミレーターで聞いていたのと全然違う。想像以上の騒音だ」、「機影が威圧的で怖い」など、私たちのもとには不安の声が多数寄せられました。「羽田空港のこれから」の問い合わせのメールはすぐにダウン、電話も一時つながらない状況が続きました。国交省も回線を増やしたことを認め、実機飛行の反響が大きかったことは明らかです。
国は、丁寧な説明をして来たといいますが、説明会場に足を運んだのは区民全体から言えばほんの一部であり、なるべく知られないようにして、ギリギリまで実機飛行を先伸ばしにしてきた意図が透けて見えると言わざるを得ません。
国は度々「地元の理解を得ながら」と発言して計画を進めてきたのですから、実機飛行確認の検証結果をもとに、あらためて地元住民の理解を得るべきです。
第3号議案では、落下物対策基準や補償制度の着実な運用を事業者に徹底させることを求めていますが、果たして実現可能でしょうか。そもそも、補償制度があるということは、落下物の危険性があることが前提であり、落下物ゼロは不可能です。
また、騒音対策として急遽発表された降下角度3.45度の侵入は、騒音低減にはほとんど効果が無いばかりか、着陸の難易度が上がり運航のリスクを高めると言われています。オリンピック・パラリンピック開催予定の夏場になると、さらに急な降下角になることも指摘されています。「大田区の訓練センターで公開された着陸手順では、3度で侵入する場合は高度600メートル程度まで降下してから車輪を出すところを、3・45度では降下を始める前から出すなどして空気抵抗を増やし、速度が上がりすぎないように調整した」との報道もあり、世界でも稀に見る超、超過密状況の都心で、落下物のリスクがより広範囲になることが懸念されます。
いくら補償されても、命や健康と引き換えにリスクを負うことを容認できません。
私たちは、この計画について、「経済優先で安全を軽視した計画である」と2014年の発表当初からルートの見直しを求め、反対してきました。
議案第2号は、先月の実機飛行確認について検証し、住民に説明するよう国に要望するものです。
現在、新型コロナウィルスによる感染症の拡大が世界的に加速している中、来日への不安や入国制限などで訪日外国人が激減しています。これは、きわめて残念なことであり、一日も早く解決に向かってほしいと思っています。と同時に、今月末に予定通りに増便する必要はないと考えます。
今、求められているのは、実機飛行を経験してあらためて、騒音や落下物、墜落事故などの不安を訴える練馬区民に応えるために、実機飛行確認の検証結果をもとに住民に説明することと、区民の理解が得られなければ飛行経路の運用も含め適切に対処するよう国に求めることです。

以上の理由から、議員提出議案第2号「羽田空港新ルートの影響の検証と住民への説明を国に求める意見書」の提出にご賛同いただけますようお願いし、生活者ネットワークを代表しての賛成討論を終わります。