ケアラー支援の充実を

ケアラーとは、こころとからだに不調のある人の「介護」「看病」「療育」「世話」「気づかい」など、ケアの必要な家族や近親者、友人、知人などを無償でケアする人のことです。ケアの必要な高齢者や障がい者は増加していますが、家族の形態は核家族化など変わっているため、誰でもケアラーになる可能性があります。

日本ケアラー連盟がおこなった調査では、介護者の約半数が身体の不調を訴え、約3割がこころの不調を訴えていることがわかりました。

ケアラーに共通しているのは、ケアを受ける高齢者や障がい者などを優先して、自分のことを後回しにしてしまう傾向にあることです。その結果、健康や生活・人生に支障をきたすこともあるため、社会の問題として対策することが必要です。

介護のために離職してしまったり、自分の自由な時間が制限されることで友人関係が疎遠になるなど、社会から孤立しがちなケアラーが社会参加できるような支援、人生の質の充実や心身の健康維持など、その人らしい生活を保障する取組みが求められます。

私の周りにも家族の介護でゆとりを無くし、ぎりぎりまで我慢していわゆる「介護うつ」に追い込まれた人が複数います。一人で抱え込んで介護うつや虐待に至らないようにするには、本人自身がケアの必要な対象であると自覚を促すとともに、周りの人が理解できるような啓発が必要です。

高齢者や障がい者と同じように、ケアラーを当事者とする個別相談支援、関係機関と多職種のネットワーク、居場所を確保する地域づくりなどの施策の充実に取り組みます。

2019年第1回定例区議会一般質問で、ケアラー支援について質問しました。