私たちの要望が一歩前進?~地域包括ケアについて~
地域包括支援センターは、高齢者が地域で暮らすための要です。
区は今年度から、25か所の「高齢者相談センター」を「地域包括支援センター(以下、センター)」へと名称変更し、一人暮らしや65歳以上の高齢者のみの世帯を対象に訪問支援事業を開始しました。
生活者ネットワークは、予てから「センターで相談を待っているのではなく、地域に出向いて高齢者の暮らしを把握し必要な支援につなぐこと」を要望してきましたが、ようやく実現したと感じています。ただ、家族と同居していても日中は「一人暮らし状態」は案外多く、家族が知らない間に認知症が進んでいた、というケースもあります。
今後は、民生委員や地域のボランティアなどと連携して、家族と同居している高齢者も対象に、必要な情報や支援を届ける仕組みの充実が必要だと思っています。また、センターの所在、機能や役割の周知も重要です。
私は、「(当事者も含めて高齢者について)何か心配なことがあったら、担当のセンターに相談してくださいね」と言ってきました。ところが、「相談する雰囲気が感じられない」というご意見をいただくことがあります。実際に複数のセンターを見学しましたが、相談しづらいのでは、と感じる施設があったのは事実です。高齢当事者や家族が暮らしをやりくりして相談時間を捻出することを考えると、より身近な場所にいつでも気軽に相談できるようにすることが必要です。
地域包括支援センターの増設を
73万区民が暮らす練馬区には、25か所のセンターでは不十分で、少なくとも中学校区に1か所の設置を求めてきました。
今月公表された「第2次みどりの風吹くまちビジョン(素案)」では、「センターの区立施設等への移転や増設」、「担当地域の見直し」が明記されました。私たちが区民へのアンケート調査をおこない、指摘してきた課題の解決に向けて前進したと言えます。
現在、国は、高齢者・子ども・障がいなど、まさしく「地域の課題」を「我が事・丸ごと」と受け止め、地域で解決する「地域共生社会」を打ち出しています。経費を抑える目的で福祉サービスを住民に押し付けるのは反対ですが、誰もが安心して暮らすためには、これまでの縦割りを改め、総合的・複合的な支援体制が必要です。
地域包括支援センターの増設にあたっては、高齢者だけではなく、妊婦から子ども、若者、障がい者へと対象を広げたワンストップの相談場所として検討し、「地域包括ケアのしくみ」の充実を求めていきます。