山形市のリサイクルとエネルギー施策を視察 (委員会視察報告)

11月12日(月)、13日(火)、清掃・エネルギー等特別委員会視察で山形市を訪問しました。

立谷川リサイクルセンター見学

1日目は、山形市・上山市・山辺町・中山町の2市2町が構成する「山形広域環境事務組合」が運営する、立谷川リサイクルセンターを視察。

センターは、130㌧/日の処理能力を有し、粗大ごみや小型家電、プラスチック類、びん・缶、ペットボトル類を処理している施設です。可燃性粗大ごみの切断、小型家電類の破砕、びん・缶、ペットボトルを手選別する処理をおこなっています。
山形広域環境事務組合は、立谷川リサイクルセンターのほかに、し尿処理施設、ごみ焼却処理施設も運営しています。

山形市では、ごみの減量を目的に2010年から家庭系ごみの有料化(10ℓ10円)を開始したとのこと。ただし、紙おむつは「子育て支援施策」として、選定枝は「減らす努力ができるものではない」という理由で無料で取り扱っているそうです。

びん・缶・ペットボトルの手選別作業

山形市再生可能エネルギー導入計画
~椹沢コミュニケーションセンター視察~

山形市は、市民・事業者・行政が一体となって、市の多様な再生可能エネルギーの活用に取り組むための導入目標を設定し、普及促進を図るため「山形市再生可能エネルギー導入計画」を2017年3月に策定しました。2016年度から2020年度を計画期間とし、2020年度の目標は1億200万kw/年。
公共施設への設備導入、市民への設備導入の推進、導入に係る補助金や優遇税制の拡充、河川等における小水力発電や中規模の太陽光発電の事業化などを掲げています。
公共施設の改築に合わせ、地下水熱、小水力、バイオマスなどを活用したエネルギーの導入に取り組む計画になっています。

木材がふんだんに使用されているセンター。南側の屋根には太陽光パネルも設置。

2018年5月に建て替えに際して、地下水熱を利用した空調設備を導入した「椹沢コミュニケーションセンター」を視察しました。

椹沢地区は、馬見ヶ崎川扇状地の前縁部に位置し、地形に沿って浅い位置に地下水があり、流速が緩やかで水量も豊富であるなど、地下水利用に適した地域です。新たな再生可能エネルギー活用のパイロット事業として、地下水熱を利用した空調設備の導入に取り組みました。環境省などの補助金の他、2000万円は市の一般財源を投入したとのことです。


年間を通して14~15℃の地下水を熱源とするヒートポンプシステムにすることで、大幅にランニングコストを下げることができ、二酸化炭素の排出量を抑制できます。また、身体障がい者用の5台分の駐車スペースに地下水管を敷設し、無散水融雪設備を整備しました。

青い部分が地下水を敷設した駐車スペースとセンター入り口までのアプローチ。

電気を使わず、体重で開閉する自動ドアは、環境学習として区内施設での導入を検討すべきと思いました。

前日の視察では「選定枝」を市の負担で「廃棄物」として処理している状況でしたが、木質バイオマス事業に活用できるように連携できないものかと感じました。

練馬区には地域エネルギービジョンがあります。さらに、目標発電量などを設定した「再生可能エネルギー導入計画」の策定を求め、再生可能エネルギーの更なる普及、エネルギーの地産地消をすすめていきたいと思います。