身近な川を調査して環境を考えよう
水・みどり・生き物のつながりが豊かな環境は、私たちにとっても大事な保全すべき環境です。生活者ネットワークでは、身近な水辺の調査活動やみどりと生き物調査を継続しています。
今年も夏休みに入って早々の7月22日、地域で活動する仲間と、練馬区立井頭公園(東大泉7-34)で白子川の水質調査を実施しました。例年、親子連れの参加者が多く、子どもたちが積極的に調査に取り組む企画です。ところが、今年は、前日夜半から雨が降り続く肌寒い日になってしまったので、子どもたちの参加が無く残念でした。しかも、雨をしのぐ施設がまったくなかったため、川の水の採取時だけではなく、データ計測時にも雨水が混入し、正確なデータ収集としてはあまり良い条件ではありませんでした。でも、事前のお知らせを見て初めて参加した人がいたので、活動の経緯や意義を確認する機会と捉え、調査を実施しました。また、夏休みの間に再度同じ場所で調査し、結果を比較することになりました。
23区は下水道が完備していますが、雨水とし尿・生活雑排水を同一の下水管に合流させ、下水処理場まで送る「合流式下水道」です。東京都や大阪市など早くから下水道事業に着手した自治体では、合流式を採用しているところが多い状況です。合流式下水道は、雨水が洗い流した道路上の汚濁物質も下水処理場で処理することができ、管路が1つで済むため整備コストが低く抑えられます。しかし、大量の雨が降った際に、下水管の処理量を超えた下水の一部が未処理のまま河川へ流れ込む「下水道越流水」によって流入先の河川の水質の悪化が懸念されます。
水質悪化を少しでも軽減するために、私たちは何ができるでしょうか?たとえば、食器の油分や汚れはふき取ってから洗う(カレーを作った鍋に洗剤を直接ふりかけ洗い流すなどもってのほかです!)、雨が降る日にはなるべく洗濯を控える、など一人ひとりが心がけるだけでも、環境への負荷は変わってきます。
水辺の調査の検査項目のひとつである、BOD(生物化学的酸素要求量、Biochemical Oxygen Demand)は、微生物が水中の有機物等を分解するために必要とする酸素の量です。水質の汚濁状況を示す代表的な指標の一つで、数値が高いほど水が汚れていることを表します。8月の再調査で検査結果を比較し、分析したいと思います。