生活重視の支援が不十分な、予算議案に反対
初めての予算特別委員会に臨み、「都区財調・財政計画」「都市整備費・土木費」について質問しました。「都市整備費」の「まちづくり推進経費」を糸口に、外環の地上部街路の沿線のまちづくりについて質問し、「まずは、道路計画そのものを知らせること」「地域住民の合意形成を丁寧に行うこと」を強く要望しました。
3/13(金)は区議会第1回定例会の最終日。賛否の分かれた議案の討論があり、私は2015年度予算の反対討論をしました。以下に討論の全文を掲載します。区議会ホームページから映像を見ることができます(2時間12分頃登壇)。また、予算特別委員会の質疑などの議事録も掲載されます。
<以下討論原稿>
生活者ネット・ふくしフォーラムを代表して、議案第1号2015年度練馬区一般会計予算、第2号国民健康保険事業会計予算、第3号介護保険会計予算、第4号後期高齢者医療会計予算および第45号、2015年度練馬区一般会計補正予算に反対の立場で討論します。
2015年度一般会計予算は、補正予算額、約11億7千万円を含め、総額約2457億7千万円の大型予算です。今後の厳しい区政運営が見込まれる中で、区政運営の羅針盤である新ビジョンに掲げた戦略計画の推進を最優先に予算が編成されています。しかし、この新ビジョンはこれまでの区政運営の踏襲にすぎません。
アベノミクス効果で景気は緩やかに上向きであると言われていますが、恩恵を受けているのはほんの一握りの富裕層だけです。消費税率引き上げによる負担増や、円安などの影響による物価上昇など、生活実感はむしろ苦しくなったと感じる人が多く、生活重視の支援を拡充すべきです。補正予算で計上された、臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金給付事業のような、一時しのぎではなく、社会保障の充実や雇用の安定など、区民が将来の見通しを持って暮らし続けられる生活基盤の確立が急がれます。物価高と増税に苦しむ区民の生活実態に合った支援が不十分な予算には反対です。
たとえば、経費削減のために進めている委託・民営化で、非正規雇用を増やしていることは、区自らが区民生活を不安定にし、貧困の連鎖にもつながっています。貧困や格差の解消に積極的に取り組むべきです。
また、関越道高架下利用計画や外環の地上部街路、青梅街道ハーフインターチェンジなど、住民合意を無視して強引にすすめようとしていることは容認できません。区長自らが地域住民と対話し、丁寧な合意形成を図るべきです。
特に今月おこなわれた関越道高架下への倉庫およびスポーツ関連スペース管理棟の例外許可申請に伴う公聴会では、公述人が独自に集めた利害関係者となる沿道住民の不同意署名の数が総数の半分以上になり、練馬区が聞き取った同意の数をはるかに上回っていることが示されました。公聴会は利害関係者の意見を尊重するために開かなければならない、特例的な法律です。この結果を無視することは行政手続き上の瑕疵となり、今後開催される建築審査会、および最終判断を下す特定行政庁である区長は重く受け止める義務があります。
福島の原発の事故から4年が経過しました。いまだに12万人が避難を強いられ、不安定な生活を続けています。しかし国は、まるで事故などなかったかのように、原発推進を加速させています。ひとたび事故が起きれば、生活も環境も破壊する原発をやめ、再生可能エネルギーを中心に据える練馬区エネルギービジョンを区民とともにつくるべきです。
集団的自衛権の行使容認など、命を脅かす戦争をできる国に向かっていることに、多くの区民が危機感を持っています。区内に2か所の自衛隊駐屯地があること、非核都市宣言をしている自治体の長として、区民の命を守る責任を果たすために、国に対して意見を述べ、地域から平和をつくることが区民の安心につながるのです。
国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険会計については、保険料の値上げで区民の負担は増すばかりです。持続可能な社会保障として、抜本的な制度の見直しが必要であり、このままでは認めることはできません。
さまざまな地域課題に異論を示す区民の声をシャットアウトするような姿勢を改め、区民と向き合うべきです。生活の現場に密着した課題を区民と共有し、積極的な情報公開と協働で解決する区政運営を求めて討論を終わります。