子どもが真ん中の地域をつくる
少子化が進む一方で、子どもの生きにくさは、深刻さを増しています。
待機児問題では、練馬区の待機児数は東京都のワースト3に入るというデータがあり、喫緊の課題です。働く母親が安心して子どもを預けることができる保育園を増やすことは当然ですが、保育の質を下げないための対策も同時に図らなければなりません。保育士の資格が持ちながら保育現場で働いていない「潜在保育士」は約70万人と言われています。即戦力として活用するために、保育指針や災害、食物アレルギーなどに関する新たな対応を学ぶ研修制度を充実させるとともに、働きやすい職場環境の整備も必要です。待機児問題解決には、子どもが健やかに育つ環境を確保する視点を忘れてはいけません。
いじめや体罰など子どもの権利侵害は後を絶ちません。おとなが生きにくさを感じる社会の中で、そのしわ寄せはもっとも弱い立場にいる子どもに向かいます。地域や家庭に居場所がない、支援が十分に受けられない子どもたちが急増しています。世田谷区では、子どもの権利侵害救済と問題解決のために、第三者からなる公正・中立な子どもの権利擁護機関を設置しました。「子どもの尊厳と権利を尊重し、子どもの最善の利益の保証を図る」と明記されています。子ども自身の声を受けとめることができるよう相談を受け、必要とあれば関係機関との連携・協力を仰ぎ解決にあたることができます。練馬区でも、子どもの最善の利益を保障する「国連子どもの権利条約」に則った権利救済のしくみと、子ども・子育て支援の展開を求めていきます。