東京の雪! 「御用聞き」もありかも?

今年も雪のために都内の交通が大混乱しました。14日に降った雪はまだ道路に残ったままです。毎回積雪のたびに思うのですが、東京の除雪は個人と企業のボランティアに頼りすぎでは?

「明日の朝出勤するとき困らないために」という個人の思いが住宅街の除雪になっていると思います。我が家でも雪が小降りになった頃を見計らって、二男と家の周りの雪かきをしました。ご近所でも男性陣が出てきてせっせと雪かきをしていました。

駅の周りや商店街では利用者のために「仕事として」除雪作業をするのでいち早くきれいになります。

幹線道路は車が通ることで除雪が進みます。(しかし道路わきに押しのけられた雪のために歩行者が車道を歩くことになり、交通安全上とても問題です。)ところが、歩道は案外除雪ができていないのです。特に建物の北側の日陰になっているところで、ワンルームマンションや管理人不在のマンションの周りはいつまでも雪が残り歩くのがとても危険な状態が長く続きます。また戸建ての家でも雪かきができていないと、高齢で雪かきができないのかなと想像してしまいます。活動で伺った先でも、「しばらくは足元が悪いので外出できない」といった声を聞きました。

寒冷地では除雪費用が予算に組み込まれていますが、東京は降雪回数が少ないのでどうなっているのか?高齢化している現在、公共で実施する除雪が必要ではないかと思い、練馬区に確認をしました。

練馬区では、除雪について問い合わせがあった場合には、区道なら状況に応じて対応するそうです。ただし、すぐにはできるかどうかはわからない。また、私有地の対応はしないとのこと。

雪のために買い物にも出られない、散歩もできないで高齢者が孤立してしまう状況を防ぐためにも、いざというときに備えた公共の仕組みも必要ですが、地域で見守り・ちょこっとサービス(有償)など地域コミュニティビジネスなども考えてはどうでしょうか。

ここで、ひとつ紹介します。

講演後の古市盛久さん(株式会社 御用聞き 代表取締役)

光が丘で「100円家事代行」業を中心に地域に密着した仕事を展開してる(株)御用聞き があります。

この会社の古市盛久社長は、33歳にしてIT企業の社長から失業者までまさしく頂点からどん底まで経験した経歴の持ち主です。

 

 

彼を復活させたのは

ソーシャルビジネス(社会的企業)の社長になりたい

社会を豊かにする経営者になりたい

という、子どものころからの目標でした。

2年前に光が丘団地に“御用聞き”スタイルの家事代行業を起業しました。宣伝費をかけられないので、この前掛けをして団地内を歩き回ったそうです。現在 光が丘のほかに高島平団地、多摩ニュータウンで事業をしています。のほほんとした見かけですが、成功しているビジネスモデルを徹底的に研究し取り入れたり、顧客のターゲットを絞るなど事業継続のための様々な工夫をしています。事業継続の条件として3つ挙げていました。①売上>コスト②お客様が満足する③働き手が満足する

主な働き手は地域の大学生。大学生だからできる軽作業、たとえばWi-Fi設定やパソコン関係などの得意分野を取り入れることで働く側の自信にもつながっています。

御用聞きはお客様との会話が成り立たなければ役に立ちません。若者(だけではないですね)の最も苦手のひとつである“他人とのコミュニケーション”を仕事を通じて獲得していく、まさしくOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)そのものです。若者に仕事を提供するだけではなく、若者を育て上げる機関としても大きな役割を果たしています。

長引く不況の中、企業は人材育成の余裕がなく即戦力を求めています。NPOやこのような社会的企業と連携し、人材の育成機関への助成などの就労支援をさらに求めていく必要があります。