地域包括支援センターは「相談するところ」とわかるような工夫を

区内25か所の旧「高齢者相談センター」は、4月から「地域包括支援センター」へと名前を変え、全所で「医療・介護連携推進員」、「認知症地域支援推進員」の配置、「訪問支援事業」の開始など機能強化をすすめようとしています。

シールアンケートなどで「地域包括支援センター」について聞き取りをしたところ、介護が必要になった当事者や家族の多くはセンターの所在や介護認定、介護予防、福祉用具、住宅改修などの相談機能があることを知っていました。しかし、その必要がない人には「無関係の場所」になっていることがわかりました。特に、特別養護老人ホームなどの高齢者施設に併設されているセンターについては「自分が相談に行く場所として行きづらい」という回答や、「公的な相談の場所」という認識が薄く、「介護を受ける時に行く場所」と考えている人もいました。

今回の名称変更で「相談」の文字がなくなり、ますます役割が理解しづらくなってしまうことが心配です。
第2回定例会で、「外から見てもわかるような看板の設置など、知らせる工夫」について質問しました。

区は、今年度から新たに、区内の診療所や薬局などでチラシを配布しているとのこと。また、相談窓口であることがわかるように、看板やパンフレットに「地域包括支援センター」に加えて「医療と介護の相談窓口」と表記していると答えました。
確かに、併記されるようになりましたが、この表現だと、医療や介護以外の相談はしにくいのではないでしょうか。

近所の人の生活の様子や身体状況が変わったのでは、と気づいた人が連絡すれば早く適切な対応ができるはずです。さらには、元気に暮らすための介護予防事業、支援する立場のボランティア活動の相談や紹介を担う役割もあります。

「地域包括支援センター」が自分や家族のことだけでなく高齢者に関する心配事を気軽に相談できる場所だということを、さらに広く知らせる工夫が必要です。

赤く囲ったところが今年度から追加された。