いらんじゃろう!上関原発2018

国は、第5次エネルギー基本計画(案)を公表し、6月17日(日)まで意見募集をおこなっていました。

前文で「東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組むことが原点であるという姿勢は一貫して変わらない」と記されています。しかし、「原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する」と、この先も長期にわたって使い続けることを表明しています。
また、世界では、ヨーロッパ、北米、中国など再生可能エネルギーを電気の主流と捉えるだけではなく、新しい産業となっています。
計画案では、再生可能エネルギーについては「主力電源化」としながら、 2030 年に 22~24%という世界標準の半分程度の低い目標を見直していないのは問題です。
締切ギリギリになってしまいましたが、なんとか意見を提出しました。

・「再生可能エネルギーを主力電源化」というのであれば、長期エネルギー需給見通しの電源構成は、原発、石炭火力の構成比率を減らし、再生可能エネルギーの比率を増やすよう見直すべきである。

・原子力発電はどんなに安全基準を高めても事故発生の確率はゼロではない。いったん事故が起れば将来世代にわたり大きな環境破壊をもたらすことは明確なので、廃炉に向けての研究、実践を早期に進めるべき。

いらんじゃろう!上関原発2018

「奇跡の海」と言われるほど自然豊かな、瀬戸内海を臨む山口県上関町田ノ浦に中国電力上関原子力発電所建設計画が持ち上がって36年目。建設予定地の対岸の祝島では、毎週月曜日の「上関原発反対デモ」が30年以上続き、1300回を超えました。自然豊かな瀬戸内海に今さら新しい原発?と言われそうですが、政府も中国電力もあきらめていません。

今年も、首都圏で上関原発に反対する仲間たちと共にイベントを企画し参加しました。

祝島在住の橋本典子さん

上関町議会議員の清水さんも会場からの質問に応え、現地の様子を報告

 

 

 

 

 

 

 

講演テーマは「浦島太郎に謝りなさい!」

祝島島内の小学校の復活を要望する声が出ているがなかなか実現しないこと。上関町では普段、原発の話は出てこない。「まちづくり」の話になっている。上関原発計画が宙ぶらりんのままになっているのが問題。など祝島在住の橋本典子さん、上関町議会議員の清水敏保さん、山根善夫さんから報告がありました。

 

 

アーサー・ビナードさんの講演タイトルは「浦島太郎に謝りなさい!」
浦島太郎が竜宮城から戻ってきたのは数十年後。それでも自分の住んでいた場所だとわかったのは景色が変わらなかったから。今だったら、日本中のどこの海岸にたどりついても自分の家がどこにあるのかわからないだろう。それほど短期間に開発されてしまった。原発計画はその最たるもの。これ以上豊かな自然を壊していはいけない、ということ。

講演終了後は、神保町から水道橋、東京ドームを眺めながらデモ行進しました。今年は、大間原発に反対する活動に取り組んでいる人たちの参加もあり、
「大間原発、オーマイゴッド!」
「大間原発、おおまちがい!」
「NO、NO、NO、NO、放射能!」
など、これまでのコールに加えて、あたらしいコールで楽しいパレードになりました。

 

先日、中国電力が3月に上関町に8億円の寄付をしたことが明らかになりました。上関町は「町の財政が厳しく、寄付はありがたい。住民サービスや風力発電施設の建設などに活用したい」と言っているそうですが、中国電力にとっては、原発計画のためなら安い投資なのだろうと歯がゆい思いです。

原発がなくても、電気は足りています。1か所の原発を廃炉にするのに何十年という時間と、兆単位の費用がかかるのに新しい原発建設なんてもってのほかです。計画白紙撤回まで粘り強く行動していきます。

パレードではコーラーを務めました