女性も男性もいきいきと働き暮らすねりまへ

 今年も「子育て・介護は社会のしごと」を掲げ、男性も女性も、いきいきと働き、家事や子育て・介護などの暮らしをともに担える地域社会の実現をめざしてきました。

 「女性の活用・活躍」がアベノミクスの成長戦略として打ち出されたのは記憶に新しいところです。しかし、労働人口の不足を補うという発想で、女性差別の解消につながるとは思えません。

 1986年に施行された男女雇用機会均等法は職場における男女差別を禁止し、採用・昇進・退職・解雇などの面で男女とも平等に扱うことを定めた法律です。ところが、28年後の現在、いまだに育児休業取得割合は、女性が約80%であるのに対し男性は3%にもなっておらず、男女平等とは程遠い状況です。マタニティハラスメント問題にみられるように、妊娠・出産によって、仕事をあきらめる、子育てのための十分な時間がとれない、このような働き方を強いられるようでは、女性が本当の意味で活躍できる社会は実現しません。

 さらに、男女間の賃金格差のために、女性の貧困、とくにシングルマザーの家庭での経済的困窮が子どもの貧困、教育格差を生んでいます。一方で、不安定な非正規雇用、長時間労働の正規雇用の増加で、過労によるメンタル疾患や突然死など、男性にとっても働く環境が苛酷なことによる問題が噴出しています。「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業など、性差別意識の解消にはほど遠く、女性だけでなく男性も苦しめているのではないでしょうか。

 女性も男性もいきいきと働き、暮らせるねりまをめざして、同一価値労働同一賃金や育児・介護の休暇を取りやすい環境の整備、地域に働く場をつくるワーカーズ・コレクティブや事業型NPOの支援の充実などに取組みます。

 みなさま、良いお年をお迎えください。

 

石神井公園の木立の中で