「個別避難計画」をきっかけに共助を考える

個別避難計画とは、高齢者や障害者など、自力で避難することが難しい「避難行動要支援者」一人ひとりの状況に合わせて、災害時に「誰が支援して」、「どこに避難するか」、「避難するときにどのような配慮が必要になるか」などを記載した個別の避難行動計画のことです。
2021年の災害対策基本法改正によって、個別避難計画の作成が市町村の努力義務となりました。

「『どこへ』、『だれと』逃げる? 個別避難計画書を試しに書いてみよう!」報告

4月のほっとするカフェでは「個別避難計画の作成」をテーマにとりあげました。
マンションの防災組織に関わる人。
避難拠点の防災ボランティアに登録している人。
離れて暮らす90歳を超えたご両親のことが気になっている人。
介護保険事業所で働いている人。
東日本大震災を経験した人、など13名が区の担当職員からレクチャーを受けました。まずは、区が作成した説明動画を見るところから開始。

その後の意見交換では・・・

高齢の家族がいる方は、「早速、個別避難計画のことを家族で共有しないと」と。

個別避難計画を作成する際にもっともハードルが高いのが「だれ(と)=避難支援者」を誰に頼むか、ということです。生活者ネットワークも課題ととらえ、これまで議会質問で取り上げてきました。
マンションの防災組織に関わる参加者からは「区の防災担当から避難支援者の協力要請があったけれど、どこまで責任負えるのか自信がない」と応じられていない、とのことでした。
現在は、避難支援者の欄に防災会などの団体名を記載することも可能になったようですが、発災時に具体的に誰(と誰)が支援に向かうのかなど課題は残ります。
練馬区としては、避難支援者の欄の記入(依頼)が難しい場合は、ケアマネジャーや相談支援専門員、地域包括支援センター職員に作成を委託するという考えです。
個別避難計画(書)を作成し、それを活用した訓練の積み重ねが必要であることを共有しました。

また、避難支援者の個人情報も含めて関係機関(民生委員や区民防災組織、消防・警察機関など)に情報提供されることも十分周知することが必要です。

個人情報保護の視点を欠かさず、一方で地域に住まう方たちの状況を気にしながら災害に備える心構えが求められているのだと考えます。この計画を作成することは、避難行動要支援者の命を守るとともに、地域のつながりの再構築につながるということを共有しました。