「話しきる」「聞ききる」オープンダイアローグを体験

オープンダイアローグって何?

「オープンダイアローグ」とは、フィンランド西ラップランド地方で開発されてきた精神科医療の包括的なアプローチ。当地のケロプダス病院のファミリー・セラピストを中心に、1980年代から実践されている対話による治療の手法だそうです。

練馬・生活者ネットワークの福祉部会のメンバーのひとりが関心を持ち、「オープンダイアローグ」による対話法が私たちの活動や福祉的事業に活かせるのではないかと考え、「オープンダイアローグを体験してみませんか」を企画しました。

仲間が3人いればできる対話実践「トライアローグ」を体験

練馬区内で開業している、訪問看護ステーション・シナモンロールのスタッフの方々が講師を引き受けてくださいました。

①Aさんの話をBさんとCさんで聞く
②BさんとCさんとで、Aさんの話を聞いて心に浮かんだことを話す
③Aさんが感想を語る

①では、聞くことに徹する。質問したくなったり、自分本位の頭で聞いて意見を言いたくなったりするが、とにかく聞く。
②の段階で、Aさんはふたりの会話から「自分の考えがどのように伝わったか」「他者が自分をどのように理解しているか」などを知ることができ、自分の考えをあらためて認識する(自分の心との対話)。ということのようです。

限られた時間でしたが、発言者からは「自分のことを理解してくれているという満足感を得られた」という感想が複数あがりました。
また、同じ職場の仲間同士で参加した方からは「(発言者の)仕事をするうえで心がけていることや悩みを知り、理解が深まった」という感想もありました。

精神科の治療としては、「本人が話していることだけがその人ではない。いろいろな思いが詰まっている」ということ前提にすること。また、当事者に関わる機関(医療機関、保健相談所、福祉事務所、グループホーム、就労移行支援事業所、地域生活支援センター、社会福祉協議会、警察、民間の支援団体などなど)の人々と一緒に聞くことが大事だということです。

さまざまな情報があふれ、多くの人が何となく追い立てられるように暮らしている現代社会は「話を最後まで聞ききる」社会ではなく、それが生きづらさを感じる原因のひとつではないかと参加者で共有しました。
今後の活動に活かしていきたいと思います。

2023年11月26日開催

講師をお願いした、訪問看護ステーション・シナモンロールのみなさんと