「今後の進め方」とは事業用地外に掘進することだった!
2020年10月の調布市の陥没事故を受けて約1年半停止していた大泉ジャンクション事業用地内のシールドマシンが、再掘進したのが今年の2月25日。
その後、2か月も経たないうちに、外環道工事のために設計・設置した地中壁の鋼材にシールドマシンが接触し、カッタービットをはじめとする部品が損傷、掘進を停止する事故が発生しました。
約半年間の補修工事が完了したので、11月1日以降に掘進を再開すると10月21日に公表され、10月下旬に3日間のオープンハウスが開催されました。(このオープンハウスの報告はこちら)
11月9日、東京外環道沿線の練馬区、杉並区、武蔵野市、三鷹市で11月18日から25日に、外環事業大泉側シールドトンネル工事と中央ジャンクション北側ランプシールドトンネル工事の「工事の状況」や「今後の進め方」などに関するオープンハウスを開催することが公表されました。
オープンハウスは説明の場と言えるのか?
「このオープンハウスが『事業用地の外に掘進する説明の場』になるらしいが、本当か?」
初日のオープンハウスの翌日、問い合わせの電話が入りました。
10月のオープンハウスで「事業用地外に出る時には、教室型の説明会にしてほしい」と要望し、事業者は「検討する」と言ったのに・・・と裏切られた気持ちで上石神井中学校のオープンハウス会場に向かいました。
開口いちばん「このオープンハウスをもって事業用地の外に掘進すると聞いたが、本当か?」と質問。
事業者は資料の該当箇所を示し(どこに記載されているのか、なかなかみつけられず!)、「おっしゃる通りです」と。
オープンハウスは、個別に丁寧に説明できる、一人ひとりの疑問に答えられる、と事業者はいいます。
しかし、質問されたことは答えますが、質問しなければ説明を受けることはできないのです。また、質問する人の知識以上の指摘をするのは難しいのではないでしょうか。
教室型の説明会であれば、さまざまな質問を共有することで、知らなかったことや問題点に気づくことができますし、理解も深まるはずです。
実際、オープンハウスに来ていた人から様々な指摘や意見を聞いています。
たとえば、
・住民が関心を持つ、地表への影響に関するパネルは少ないし、中身も貧しい。
・「大泉ジャンクション内のシールドマシンの接触・破損は本当にお粗末な事故でスミマセン」と事業者が寄ってきたが、口先だけで重大事故を起こした意識を感じられない。
・「お粗末な事故」と口先では言いながら、「事故」の表記はどこにもない。など。
周知の範囲が狭すぎる
今回のオープンハウス開催のお知らせは、外環本線沿道の両側それぞれ約40~45mの範囲にポスティングしたのみ。
シールドトンネルの掘進作業を進めていけば、青梅街道インターチェンジ予定地周辺の住民の方々に影響があるのは当然なのに、ポスティングされていない住居が複数あったのです。
「丁寧に説明する」と言っているのに、です。
そして、これまでと明らかに違う説明が・・・
インターチェンジからの連絡路のシールドトンネルと本線のシールドトンネルを地下40m以深で繋ぐ、「世界最大級の難工事」と専門家も指摘する地中拡幅部の工事。
いまだに工法も工期も示されていないのは変わりません。
ところが、これまで「本線トンネルとインターチェンジをつなぐランプトンネルの工事は、一体的に行う」と説明してきましたが、オープンハウスでは「先に本線トンネルを通して、あとから地中拡幅部を接合することもあり得る」と明らかにこれまでと違う説明に変わったのです。
資料も示さず、口頭説明だけで済ませようとする事業者の姿勢は容認できません。
国交省の担当課長は「この場で即答できない。検討する」と答えましたが、検討の結果を早急に示してほしいと思います。
オープンハウスの来場者などの開催概要はこちらをご覧ください。
12月1日追記
大泉ジャンクション事業用地内ギリギリのところで停止している、北行シールドトンネル工事の掘進作業を12月8日から実施することが、12月1日に発表されました。
教室型の説明会際についての回答は未だにありません。