「労働者協同組合」をメジャーに!
本日、10月1日から「労働者協同組合法(ワーカーズ法)」が施行されます。
労働者自らが出資し、主体的に経営に参画する、新しい働き方の法人格が認められ、広がることで「多様な就労の機会の創出」「地域における多様な需要に応じた事業の促進」「持続可能で活力ある地域社会の実現」が期待されます。
目的はディーセントワークの実現
ワーカーズ法の目的を示す第一章の冒頭で「各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就労する機会が必ずしも十分に確保されていない現状」を指摘しています。
国際労働機関(ILO)が目標としている「働く人の権利が保護され、十分な収入を生み出し、社会的に意味のある仕事=ディーセント・ワーク」が、日本では十分に浸透していない現状を変えることが求められています。
私自身、区議会議員になる前に10年以上、協同労働を実践してきました。
メンバー各自の働き方や報酬、育成、事業拡大など、お互いの違いを認めあい、より良い職場環境を実現するために話し合いを重ねてきた経験があります。
私が働いていた時期は、リーマンショックの影響を受けたころです。非正規雇用の拡大やいわゆるブラックな働き方が社会問題になったころです。
学校を卒業して就職したものの、過酷な労働環境で心身ともに傷ついた若者が、私たちの職場で様々な人に励まされ、認められて大きく成長した姿が忘れられません。
さらに時間が経過し、労働者の約4割が非正規雇用(女性は6割)となり、新型コロナウイルス感染拡大の状況で失業や収入減などより大きな影響を受けました。
「労働者協同組合」という法人格のメジャー化のために自治体ができることは?
地域で自分らしく生きがいを持って働く「労働者協同組合」を就職先の選択肢のひとつにするためには、「株式会社」や「有限会社」、「NPO法人」などのように社会的に認知されることが必要です。
長年ワーカーズ法の制定に尽力してきたワーカーズ・コレクティブは「地域に必要な機能を仕事として起こし、地域課題を解決する」という視点で活動しています。
協働推進課の事業「つながるカレッジねりま」の受講生が地域活動から起業し、事業運営に発展する可能性も期待できるのではないかと考えます。
決算特別委員会で、講座やつながる窓口で労働者協同組合設立の手続きや実践事例を紹介するなどの周知・啓発や起業支援に取り組むことを提案しました。
ワーカーズ法施行を前に、区内で協同労働を実践する事業者と担当課(経済課、協働推進課)が意見交換する場を設定しました。
「協同労働でなければ、一生、正規職として働くことはなかっただろう」という当事者の発言、私自身もワーカーズ・コレクティブで働いてきたので、とても共感しました。あらためて、行政として法の周知・啓発や起業支援に取り組むよう求めました。
ワーカーズ法の周知は、区民の活躍の場の選択肢を拡げることにつながると考えます。
「協同労働」や「労働者協同組合」がメジャーになるよう尽力したいと思っています。