ジェンダー主流化についてスピーチしました

6月5日(土)の夕方、大泉学園駅南口にて、多様性を認め合い、誰もが生きやすい社会の実現に向けた政策提案を行いました。

きみがき区議(左)は、こどもの権利の視点で差別のない社会の実現に向けてスピーチ

私は、生活者ネットワークが政策に掲げる、あらゆる政策にジェンダーの視点を入れ込む「ジェ ンダー主流化」についてスピーチしました。

ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のことです。

根強い男女の役割分担意識

先日、国会で改正育児・介護休業法が成立しました。

男性の育休取得率が1割にも満たない現状から、夫も産休、育休を取得しともに子育てを担う社会へと改善することが期待されますが、残念ながら、男性の育児参加や家事、育児の主な担い手は女性であるという考えや、女性が担わざるを得ないというのが現状です。

社会の意識もありますが、男女の賃金格差が大きく影響している、私はそう考えています。

雇用者の約4割が非正規雇用と言われていますが、男女別でみると女性の非正規雇用者数は男性の3倍というデータもあります。

度重なる緊急事態宣言と延長による経済の停滞は、失業や大幅な減収など、不安定な雇用が多い女性にとってより深刻な問題となり、生活困難に陥る女性の実態が明らかになりました。
「生理の貧困」として、報道でも取り上げられ、私自身も大変ショックを受けましたが、生活困窮が原因で女性にとって必需品である生理用品の購入さえ困難なケースがあることも現実です。

女性の貧困の問題は、相変わらずの男性を稼ぎ頭と考える賃金体系、雇用状況が、コロナ禍でより鮮明になった結果であると私は捉えています。

感染症対策の一斉休校で様々な問題が明らかに

昨年の初めての緊急事態宣言で小中学校が一斉休校しました。
様々な問題が浮き彫りになりましたが、そのひとつが、働く母親の仕事の問題でした。

また、就労だけではなく、子どもが学校にいる時間に社会参加(ボランティアとして欠かせない役割りを担うなど)している母親は少なくありません。
一斉休校が原因で仕事や活動の調整を強いられ、結果的に辞めざるを得なくなったという実例は少なくないのです。

さらに、長引く外出自粛はDVや虐待が増えることになるのではないか、私たちは議会内で真っ先にその心配を指摘し、対応するように求めました。
全国のDVや虐待に関する相談件数は増えたと報道されています。
練馬区では、DV相談件数の急激な増加は顕著ではなく、むしろ、加害者の在宅時間が長いことで相談しづらい状況になっているのではないかと担当部署は懸念していました。

新型コロナウイルス感染予防のために在宅勤務が推奨されますが、家事や育児の負担が母親に偏っている現状があります。

 

コロナ禍で、外出自粛によるDVや虐待の増加、ひとり10万円の特別定額給付金の受給権者がほとんどが男性である世帯主を原則にした支給だったこと、非正規女性の失業や 若い女性の自殺増加など、女性の置かれた状況はさらにひっ迫し、これまで放置されてきた課題が増幅され、浮 き彫りとなっています。ジェンダーの視点で政策を日頃から充実させていれば、ここまでダメージや格差は生じな かったのではないか、まさに政治の問題です。

性的指向や性自認など性別による差別や固定的性別役割分業をなくし、性別にかかわらず、誰もが自分らしくくらせるジェンダー平等社会を実現しなくてはならない、コロナ禍を経て、改めてその意を強くしています。

私たちは、区議会において「インクルーシブな練馬をめざす会」を結成しました。

性別や国籍、人種、障がいの有無など、日頃から多様性を認め合い、すべてのひとの人権を尊重し、誰もが排除されない寛容な社会、地域の実現に向けて力を尽くしていきたいと考えています。

立憲民主党の石川大我参議院議員も駆けつけ、多様性を認め合う社会の実現を訴えた