市役所の隣にある清掃工場を見学
生活している限り出てくるゴミ。
近年は、プラスチックの海洋汚染問題がやっとメディアで取り上げられるようになり、SDGsの観点からも関心が寄せられるようになりました。
私たちは、環境・福祉優先のまちづくりを政策に掲げ、さまざまな政策提案をしています。
直近では、区が関わる事業ではプラスチック製品を極力使用しないなどの「練馬区プラスチック削減指針」策定が実現しています。
11月28日(土)、練馬・生活者ネットワークの環境部会で武蔵野市の清掃工場「武蔵野クリーンセンター」と環境啓発施設「むさしのエコreゾート」を視察しました。
市役所の隣に清掃工場が!
武蔵野市は、一つの自治体で清掃工場「武蔵野クリーンセンター」を運営しています。
ちなみに、練馬区を含む東京23区は、「東京二十三区清掃一部事務組合」を設立し、19か所の清掃工場を持ち、可燃ごみ、不燃・粗大ごみを共同処理しています。(注)
武蔵野クリーンセンターは、1984(昭和59)年からごみ処理施設として焼却処理施設と不燃・粗大ごみ処理施設を稼働してきました。
その後、機械の耐用年数などの状況から、同じ敷地に新しいクリーンセンターが建設され、2017年4月から稼働しています。
何といっても市役所の隣の敷地に立地していることが最大の特徴であると感じました。
ごみの焼却によって発電した電気をクリーンセンターで利用するほか、隣接する市役所や総合体育館などの公共施設にも供給しています。現在は、日中の電力使用ピーク時は買電する場合もあるようですが、ピークオフ時の夜間のごみ発電を使用するために、蓄電設備を設置する計画が進められているとのことです。近い将来、売電収入が見込めるようです。
また、災害時のエネルギー確保とごみ処理を継続させるためにガスコージェネレーション設備も導入しています。
見学者通路は、見学時間内であれば自由に見学することができます。
通路は、ごみ処理ピットをはじめ施設を1周するようにレイアウトされていて、クリーンセンター内の装置の運転状況を24時間監視し、操作する中央制御室も大きなガラス張りになっています。地域に開かれた施設づくりになっているな、と感じました。
2018年から「生ごみ堆肥部」をつくって、部員として登録した市民が持ってきた生ごみを堆肥にして、屋上の「ベジタブルガーデン」で使用して、化学肥料や農薬を使わない野菜作りに役立てているそうです(残念ながら、見学できず)。
大きなモニターの前で、施設の説明だけではなく、ごみ処理の歴史も学びました。
世界には約2000基の焼却炉がありますが、そのうちの約1000基が日本国内にあるのだそうです。
ごみの焼却の歴史は案外新しく、焼却炉の登場は1980年代で、それまでは生ごみも埋め立てていたのですね。「夢の島」と言っても、わかる人は少なくなっているのかもしれません。
市民との議論を重ねて実現した「むさしのエコreゾート」
旧クリーンセンターの施設の一部を残し、リノベーションしたのが環境啓発施設「むさしのエコreゾート(リゾート)」。11月8日にオープンしたばかりです。
天井が高く開放感があり、打ちっぱなしのコンクリートがむしろオシャレに感じる建物ですが、ごみピットへの搬入口がそのまま残っているので、「本当に清掃工場だったんだ!」という感じです。
「むさしのエコreゾート」は、ゴミをはじめさまざまな環境について一緒に考え、学び合い、行動・活動するための施設です。設立にあたって、市民や市民団体、事業者、関係機関、そして、もちろん武蔵野市が主体となって議論を重ねてきたそうです。
フリースペースには、本当に多様な活動団体のアピールパネルがありました。
エコクッキングの講座などができるように、IHヒーターや水回りを完備したカフェスペースもありますが、新型コロナウィルス感染症拡大のために、今は使えないのが残念です。
工作用具や作業台が並ぶ「ものづくり工房」は、いつでも自由に廃材工作が可能です。見学当日も親子連れや子ども同士、楽しそうに利用していました。
区内に2か所の清掃工場がある練馬区。
リサイクルセンターは4か所あり、区民の活動団体との協働でさまざまな企画に取り組んでいます。
持続可能な循環型社会の実現のために、適切なごみ処理やごみ削減などに関心を寄せてほしいと思います。みなさんのご意見をお寄せください。
きみがき圭子区議のブログもご覧ください。
(注)区内にふたつの清掃工場があっても、ごみ発電(の是非はありますが)などの売電収入は東京二三区一部事務組合へ。災害時の電力供給の協定もありません。