外環道直上の道路陥没事故 緊急申し入れ

調布市つつじが丘の道路陥没事故について、区が早急な原因究明と情報開示などを国やNEXCO東日本に求めるよう、生活者ネットワークとして申し入れしました。

以下、申し入れ書の内容です。

2020年10月22日

練馬区長 前川燿男様

生活者ネットワーク やない克子、きみがき圭子

外環道トンネル工事現場上の道路陥没に関する申し入れ

 

調布市つつじヶ丘の住宅街で18日に発生した道路陥没に、周辺住民だけでなく多くの沿線住民が衝撃を受けました。陥没現場は工事中の東京外郭環状道路の上であり、地下40メートルを超える大深度地下をシールドマシンで掘り進む工事です。9月中旬にこの地域をシールドマシンが通過したとのことです。

外環道については、多くの市民団体の反対を押し切り、強引に工事を始めた経過があります。

これまでも野川に気泡が出ていたり、振動被害が確認されるなどの現象が起こっており、先月には今回の陥没地近くの家の外のブロックが落ちたり、亀裂が大きくなってきているという声も届きました。これらの被害は外環道トンネル工事の影響と考えられていますが、こうした現象や苦情にもかかわらず工事は進められ、今回の陥没事故が起こりました。あらためて大深度地下の利用やシールド工法について検証が必要です。東日本高速道路は、シールドトンネル工事を一旦中止し、原因究明にあたって早急に有識者会議を実施するとしていますが、徹底した原因究明が急がれます。

練馬区内でも大泉ジャンクションから南進するシールドマシンの掘削が始まっており、今回の事故は他人ごとで済ませられません。これまで白子川や野川に気泡が発生した際、事業者は「環境には影響はない」の一点張りで住民の不安に応えてきませんでした。

生活者ネットワークは、練馬区が東日本高速道路(株)および国土交通省に対して、以下のことを要請するよう求めます。

1.原因究明にあたっては調査の過程や資料も含めて情報を公表し、透明性を図ること

2.原因が究明されるまで工事を中止すること

3.事故発生個所周辺だけでなく、本線トンネル工事に該当する地域の空洞なども含めた地盤調査を至急おこない、公表すること

10/23「外環道 道路陥没事故緊急申し入れ院内集会」で、住民団体を代表して、野川べりの会代表の飯岡さんから国交省に申し入れ書を手渡しました

外環道沿線で道路計画の見直しを求める4団体(調布・外環沿線住民の会、野川べりの会、外環道路予定地・住民の会、外環ネット)が、10月23日(金)に「外環道 道路陥没事故緊急申し入れ院内集会」を開催。国交省に対して申し入れ書を提出し、現状確認と問題解決に向けた質疑をしました。

1か月以上異音や振動に悩まされ、訴えてきた。この事故は、ある意味、予見されていたものだ。
命の危険を感じさせる公共工事はあるのか、根本の安全性から検証すべき。
これまでの説明会等で住民が懸念することを質問してきたが、事業者は「仮定の質問には答えられない」と言ってきた。
事業者にとって大切なのはトンネルで、住民に寄り添う姿勢がない。
現場は埋め戻されたが、今後崩れない保証はない。
大深度の工事は地上には迷惑をかけない」と説明してきたことが根本から覆された。すでに掘削工事が終わった場所についても、計画線上の用地を適切に収用し住民の命と財産を守るべき。
など、集会に参加した沿線住民の訴えは切実です。

それに対して、国は、「『東京外環トンネル施行等検討委員会 有識者委員会』で検討する」を繰り返すばかりで、到底納得できるものではありませんでした。

東京外環トンネル施行等検討委員会」の構成メンバーを見ると、半分以上が国交省や東京都、NEXCO東日本・中日本など事業者の立場です。これで、事故の原因究明ができるのか、疑問を持たざるを得ません。参加者からも、「この会議は、道路を推進する委員会。同じメンバーでは原因究明する資格はない」と指摘する意見が出ました。

住民4団体からの申し入れ書は下記の通り
1.今回の陥没事故の徹底的な調査、原因究明を行い、調査結果・根拠となるデータを公表すること。なお、事故調査委員会は、独立した公正中立な立場のものであり、公開の場であること。検討結果の記者ブリーフィングの場に関係住民の出席を認めること
2.周辺住民に緊急に陥没事故の説明を行うこと。周辺住民の要望に対して誠実に対応すること。また、沿線全体においても住民に説明すること
3.既設トンネル部分には陥没のリスクが存在するので、第2、第3の陥没事故を防止するための調査、住民への周知等を至急行うこと
4.緊急時の避難計画を実効あるものに作り直すこと
5.正当な被害補償について説明すること
6.陥没事故の原因が解明され、再発防止策がとられ、住民の理解と納得を得ることなく工事を再開しないこと

事故現場至近に在住する、ジャーナリストの丸山さんは、大深度法は憲法違反と指摘

丸山さんの著書

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