「手取りを増やす」はずが・・・介護保険条例の改正 追記アリ

2月5日から始まった練馬区議会第一回定例会

条例改正や道路認定、契約など、2026年度予算以外の21件の議案が各委員会で審議されました。

私が所属する医療・高齢者等特別委員会に付託された介護保険料に関する条例改正「議案第9号 練馬区介護保険条例の一部を改正する条例」の議案について報告します。

介護保険料は合計所得金額をベースに算定する

今回の条例改正は介護保険料の算定方法に関するものです。
2025年の「手取りを増やす」ことを目的とした税制改正において、給与所得控除額の最低保証額が55万円→65万円に引き上げられました。
・控除額が引き上げられることで、介護保険料の算定の基準となる「合計所得金額」が少なくなるケースが生じる
・「合計所得金額」が減少すれば、介護保険料も引き下げられる⇒自治体の介護保険料収入が減少する
・介護保険制度は3年単位で運用している⇒3年間の介護保険料収入を見込んでさまざまな制度や施策を計画する
・税制改革によって自治体が徴収する介護保険料収入が減額してしまうと、3年計画の介護保険計画に支障をきたす

練馬区の場合は、約9000万円減少すると試算されています。

そこで、国は、来年度の介護保険料の算定に税制改革前の方法を使うように「介護保険法施行令」を改正することにしました。

これで、来年度の介護保険料収入の減額を免れた練馬区ですが・・・
なんと、この算定方法を導入するために約4500万円のシステム改修が必要になるのです!
半分は国が負担するのですが、それでも区は2250万円負担することになります

国が決めた税制改正によって介護保険料収入に影響が出るのだから、各自治体の減額分を国が負担すれば余計な自治体負担は必要なかったのではないかと考えられます。

さらに、対象が限定的であったとしても、本来であれば介護保険料が引き下げられて「手取りが増える(少額にしても)」人がいるはずだったことを考えると、税制改正の目的にも逆行していると言わざるを得ません。
このような状況を招く条例改正を容易に認めることはできませんが、自治体の介護保険課長会において、国に対して自治体負担の軽減などを求める意見を出しているとのことなので、引き続き国に対して課題の指摘や要望を伝えることを求めて議案には賛成しました。

なお、条例の対象は65歳以上の方(第1号被保険者)です。介護保険料の算定等はこちらをご覧ください

2026年3月18日追記

上記の算定方法で2026年度の介護保険料を算定すると、給与所得控除が10万円引きあがることを見込んで就業調整した人の保険料が大幅に増額されるケースが生じることが明らかになりました。
厚生労働省は2026年度介護保険料の算定において、この対象者の所得段階を特別区民税非課税といして取り扱うよう追加の通知があったとのこと。


委員会資料「令和8年度介護保険料の算定における就業調整への対応について」