災害時における香害、化学物質過敏症対策を急げ ~一般質問より~
「*香害」に関する初の学術的な全国調査により、「小中学生の香害被害が約10%」であることが明らかになりました。
*香害とは:柔軟剤、合成洗剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤などの強い香りを伴う製品による健康被害のこと。体臭は含まれない
2024年第三回定例区議会の一般質問では、化学物質過敏症の介護利用者への合理的配慮の実施について取り上げ、医師の診断書がなくても利用者の要望に応じた対応が可能であることを確認しました。
今定例会の一般質問では、災害時の避難所での対策を質しました。
岡山県は、香りによって体調不良になる「香害」に苦しむ人たちについて、災害時の避難所で配慮するよう市町村に周知することを明らかにしました。県の危機管理監は「避難所へ逃げることを躊躇することのないよう必要な配慮を行うことは重要。これまでもアレルギーを持っている人に対する配慮について市町村に助言してきた。化学物質過敏症の人への配慮についても市町村等の避難所運営に携わる人に周知したい」と述べたとのことです。
避難拠点運営に当たっては、感染症予防や福祉的支援が必要な方への対応、ペット同行避難など多岐にわたる取り組みが求められますが、その前提は啓発と情報の共有です。残念ながら、生活者ネットワークが長年指摘してきた香害や化学物質による健康被害については、社会的な共通認識には至っていません。だからこそ周知啓発が必要です。
今定例会開会を前に本庁舎の掲示板に(また)啓発ポスターが掲示されましたが、掲示場所を増やしたりSNSを活用した発信などさらなる周知を求めました。
災害時の対策として、避難拠点運営連絡会での情報共有など積極的な周知・啓発が必要と考えます。
近年の「香害」による健康被害を訴えている人に対する誤解の多くは、「その問題は過敏に反応する本人に起きているもので、周囲の空気に問題があるわけではない」という認識からきていると思います。さらに、「健康への影響のメカニズムがいまだ未解明」という国の認識は、表示義務や使用規制などの具体的な対策がすすまず、被害当事者を苦しめています。
誰にでも起こり得る香害・化学物質過敏症の対策は、予防原則の視点ですすめることを求めます。
つい先日、区内の保護者の方から給食の白衣について学校便りで取り上げられたと連絡をいただきました。
・給食の白衣は、基本的に共有だが事情があれば各家庭で用意したものの使用は可能
・給食着を家庭で洗濯する際は香りの強い柔軟剤などの使用を控えてほしい
という内容だったとのことです。このような呼びかけが拡がっていくことを期待します。
