戦後80年 高まる核戦争の危機を前に
戦後80年経過した今年、講演会や演劇、映画、美術・写真展示など、これまで以上にさまざまな企画が展開されています。
8月19日(火)、生活者ネットワークも参画する「平和・立憲・人権をつなぐ全国自治体議員会議」でも、戦後80年に関わる取り組みを検討し、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営委員兼会長である川崎哲(かわさき・あきら)さんを講師に迎え、「戦後80年 高まる核戦争の危機を前に」と題する記念講演会を開催しました。
2024年12月に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞し、核兵器廃絶への期待が高まりました。
核兵器による被害者の方々が世界に対して核の恐ろしさを語るということが、実際に核兵器を使わせない規範になってきたこと。遅きに失した感は否めませんが、受賞は、その功績が認められたことにほかなりません。
では、「なぜ79年も経った後でそれを受賞したのか」。川崎さんはフリードネスノーベル委員会委員長の発言を紹介。「それは、核のタブーが脅かされ、核兵器が使われてしまうかもしれないから。今世界は新たな、これまで以上により不安定な、その核の時代に入ってきているということで受賞したのだ」と。
「日本被団協の受賞は日本の私たちにしてみると嬉しいニュースのように聞こえるが、 実は本当にいいことなのか冷静に考えなければならない」と川崎さんは指摘しました。
人類滅亡までの残り時間を示す「終末時計」。2025年は核戦争の脅威などを背景に、時計の針は2024年の「残り90秒」からさらに1秒進み「89秒」へと、これまでで最も「滅亡」に近づいたとされています。ちなみに、1980年代に核兵器が7万発あった時代の終末時計は残り3分であったことに鑑めば、、事態は深刻です。
日本は唯一の戦争被爆国でありながら、米国の「核の傘」に依存し、核兵器による拡大抑止が、日本の安全保障に不可欠」とし、核兵器禁止条約に加盟していません。しかし、「核抑止による安全保障」の考え方で真の世界平和は訪れないことは自明であり、むしろ核戦争の危機を高めるばかりです。核兵器があること自体が、世界の大多数の非核兵器保有国に対しては安全保障上の懸念であることを認識すべきです。
核なき世界に向けてジェンダーの視点は不可欠
核禁条約の中では、「ジェンダーと核軍縮」が大きな議題になっているとの報告もありました。放射性の兵器による被害が女性に偏って様々な影響をもたらすにも関わらず、軍事問題や核問題の意思決定の議論については、世界共通で男性支配が続いていると。
私たち生活者ネットワークは、女性が中心の政治団体であり、だからこそ「核なき世界」を願う市民と大きく連携し、日本政府に核兵器禁止条約への加盟をさらに力強く働きかけていく責務があります。そのことを痛感した機会となりました。

川崎さんを囲んで会場参加した東京・生活者ネットワークの仲間と