容器包装プラの中間処理施設を見学
練馬区では、カップ麺や弁当・総菜を入れる容器、肉や魚のトレー類、お菓子の空き袋などの*容器包装リサイクル法に基づいたプラスチック製容器包装(PETボトル、白色トレーのみを除く)を分別収集したのち、物流用のパレットなどにつくり替えるリサイクルに取り組んでいます。(プラマークの表示あり)
*容器包装リサイクル法:一般廃棄物排出量の削減(リデュース・リユース)と再生利用(リサイクル)を目的に、1995(平成7)年に制定し1997(平成9)年から施行された法律
区内で収集された容器包装プラスチックを中間処理する施設を見学しました(5月27日)。
容器包装プラスチックとして収集される量は、年間約5300㌧。
月曜から土曜日まで年末年始を除く毎日、約60台の車両が稼働して17~18㌧の容器包装プラスチック(以下、容器包装プラ)が和光市のリサイクル工場に運び込まれます。
破袋(はたい)機に投入し袋から出されたプラ容器は、ベルトコンベアーで流れる中で汚れたものやプラスチックハンガーなどのような、そもそも容器包装プラではないもの(不適切物)を手選別して、リサイクル可能な容器包装プラのみ集め、輸送しやすいように圧縮・梱包して「ベール」という立方体にします。一つのベールは約250㎏。1週間で60ベールできるそうです。
このベールを再商品化する事業者が買い取り、リサイクルするしくみになっています。
最近、ごみ収集車や清掃工場での火災が報道されていますが、原因のひとつがリチウムイオン電池と考えられます。リチウムイオン電池は折り曲げたり強い衝撃を受けると発火する恐れあります。プラスチック製品の中にリチウムイオン電池が紛れていることを考慮して、練馬区では圧縮しないで容器プラを収集しているとのことです。
練馬から排出される容器包装プラは良質?
汚れたものや分別不適物があると資源としてリサイクルすることができません。
収集した容器包装プラの数年の状況を質問したところ、「リサイクル事業者から『練馬区からのベールはきれい』と言われている」と説明されました。家庭から排出する際の心がけとともに、中間処理の段階で不適切物を極力取り除くことで質の良いベールになっているとのことでした。
「どの程度まで汚れを落とせばよいのか」という区への問い合わせも結構あるようです。関心を持つ区民が少なくないことを実感しました。その一方で、汚れを落とすのが面倒だったり、そもそも分別が面倒で可燃ごみに入れてしまっていないか疑問です。燃やしてしまうことでCO2を排出し地球温暖化につながるからです。

家庭から袋詰めされて排出された容器プラの山

積み上げられたベールの前で説明を受ける山﨑まりも区議とやない
プラスチックの一括回収、2026年10月開始予定
2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法では、プラスチック資源の分別収集を促進するため、従来の容器包装プラに加え、ハンガー等の製品プラスチックについても一括で回収し、リサイクルすることが可能となりました。
練馬区でもいよいよ2026(令和7年)10月より、これまで家庭ごみとして焼却処理していた製品プラスチックの一括回収・リサイクルを実施する計画です。
これまで収集してきた約5300㌧/年の容器包装プラに加え、製品プラスチックが約2000㌧/年 増加すると区は試算しています。
それに伴って、工場の敷地を現在の約3倍に拡張して分別処理する機械を2台導入する計画になっているとのことです。
製品プラスチック回収で懸念されるのが不適切品の混入です。
磁選機の導入など最新の技術にも期待されますが、やはり、排出する際にできるだけ取り除くことが重要だと考えます。
区には、プラスチックの一括回収に向けてよりわかりやすい区民への周知、啓発を要望しました。
そして、環境に負荷をかけないためには、なるべくプラスチック製品を使わない、作らないことも重要だと考えます。

プラ製品一括回収に向けて、隣接する土地を取得し、拡張工事が始まっていた

選別でききれずに混入してしまったペットボトル。しかも、ベール化の際に梱包材を突き破ってしまった(恐らくキャップをしたままだったからだろう)