子どもの体験格差解消のための予算増額

「子どもの体験格差解消プロジェクト」予算拡充

2025年度予算では、ひとり親家庭自立支援プロジェクトの充実するとして約3億4700万円が計上されました。
「子どもの体験格差解消プロジェクト」として、これまで取り組んできた「訪問型学習支援事業」の対象拡大に加えて、新規事業として、学習の機会を確保するために学習塾や家庭教師などに利用できる学習クーポン事業の開始し、学習面のサポートを充実していくとのことです。

私たちが着目したのは、親子体験応援事業の充実です。

2024年度まで実施されていた、日帰りバスツアーと区内農園での収穫体験の二つの事業から、ディズニーランドへのバスツアーや歌舞伎鑑賞など、18事業に拡大するとのことです。

塾に通ったりピアノ教室に行ったり野球を習ったり、など教育機会が限定される
旅行に行けず、住んでいる地域以外の文化・歴史に触れる機会を得にくい
演劇や美術といった文化的なものに触れる機会を得にくい

このような機会を十分に得られない場合、子どもの成長に悪影響が生じかねません。実際、文部科学省によると「体験機会に恵まれた子どもには成長にポジティブな効果がある」と公開されています。同省の別調査からも「小学生の頃の体験活動の機会に恵まれていると高校生の頃に自尊感情が高くなる傾向がある」といったことが明らかになっています。体験機会に恵まれた子どもは、その後の発達にも良い影響が期待できるとのことです。

以前に、子ども食堂を主催している方から、日帰りバスツアーに当選して「とても楽しみにしている」という利用者の声を伺いました。

区は「ひとり親庭自立支援プロジェクト」の一環として、事業拡大に取り組みますが、体験格差が生じる大きな要因は、経済的理由です。ひとり親家庭は相対的貧困率が高いということで、区は、ひとり親家庭の支援に力を入れていることは理解しますが、経済的に困窮する過程はひとり親だけではありません。
第一回定例会の予算特別委員会で、対象の拡大を求めて質疑しました。

2025年度予算は、篤志家からの寄付を活用するとのことです。寄付行為は、社会状況に左右されることは容易に想像できます。安定的に運用するための財源確保も検討すべきと要望しました。
区は、
昨年6月に子どもの貧困解消に向けた対策推進法が施行され、体験格差解消などの取り組みを民間と連携して取り組むフォームを求めているところ。国や都の補助を確保できるよう要請を行う と答えました。

「子どもの体験格差解消プロジェクト」は、社会で子どもを育てる視点、税の公平公正な再分配の考えで検討することを求めました。