大二中と道路問題の取組方針の見直しを求める請願に賛成
区議会第一回定例会会期中、「大泉第二中学校の教育環境保全と大泉学園駅南側地区まちづくりの取組方針」に関わる請願2件と陳情1件が審査され、取組方針の見直しを求める請願2件が否決されてしまいました。
3月14日(金)の定例会最終日、取組方針の撤回、見直しを求める請願に賛成する立場で討論をおこないました。請願第2号に賛同する署名数は3300名を超えています。また、請願第3号は議会への提出から審査まで1か月余りの短期間で、大二中の保護者を中心に130名の署名が集まったと聞いています。
以下、討論分です。
生活者ネットワークを代表して、請願第2号「大泉第二中学校の『取り組み方針』(素案)の撤回を求めることについて」および請願第3号「大泉第二中学校の大きな校庭と桜の木を残すことを求めることについて」の願意に賛成し討論を行います。
2本の都市計画道路補助135号線と232号線が大泉第二中学校の敷地を分断する計画について、生活者ネットワークは一貫して教育環境の保全を最優先に検討すべきであると考え、計画の見直しを求めてきました。
請願第2号は請願の理由の第一に教育環境をあげ、第3号は大二中の大きな校庭を残すことなど、教育環境の保全を優先に取組方針の見直しを求めるものです。
教育環境の保全と大型道路の整備という、矛盾した課題解決のため、区は「練馬区立大泉第二中学校の教育環境保全および都市計画道路の整備に関する有識者委員会」を2016年に設置。その後3年2か月間で19回開催し、2019年に提言を作成しました。当初、道路が敷地の真ん中に通るような計画に違和感を持つ有識者委員の方もおられたようですが、結局は道路ありきの学校施設や敷地活用の検討だったことは残念でなりません。
一般質問でも指摘しましたが、教育環境の保全として取組方針に示された「これからの時代に対応した施設整備」の5項目は、いずれも学校の改築にあたって当然実施されるべきことであり、学校を分断する道路整備と引き換えにするものではありません。区は「有識者委員会からは、教育環境の保全と道路整備を両立させる方策が示されているとのご意見をいただいた」と答弁しましたが、先日の有識者委員会での委員の発言は、限られた条件の中での方策だったと考えているように受け止めました。
文教児童青少年委員会での質疑で、校舎棟と体育館棟を行き来する渡り廊下は、8メートル幅の計画なので移動に支障はないと考えているとのことでしたが、やはり、非常時の車いすユーザーをはじめとする移動が困難な生徒や学校関係者への影響を懸念します。
区は、都市計画道路の必要性の理由として、学芸大通りの交通環境の改善をあげています。確かに、学芸大通りは路線バスの本数も多いうえに、歩道が狭く、歩行者と自転車、車両が錯綜していて交通安全上大変問題のある道路であると考えます。しかし、それは、今に始まったわけではなく、以前から指摘されていたことです。学芸大通りの拡幅を求める意見に対して、区は、都市計画道路整備のみを改善策として、ほかの方法を検討してこなかったことは問題です。都市計画道路の整備にこだわり、交通安全上の課題を後回しにしてきたと言わざるを得ません。取組方針の今後の進め方をみると、道路整備までにこれからさらに、10年から15年かかることになります。学芸大通りの交通環境の改善はそれを待たなければならないということでしょうか。
陳情第98号「大泉第二中学校の教育環境向上と地域のまちづくりの推進の両立を求めることについて」で求められている、消防活動困難区域の解消は、延焼防止のための建物の不燃化の促進やポケットパークの設置など、取り組むことがあるはずです。また、老朽化が進んでいる大二中の改築は、都内でも屈指の大きさを誇るといわれている校庭を残すこと、学校を分断しないことを前提にすべきです。
東京外環道の地下化や外環の2の幅員変更などの都市計画の変更、井荻駅~西武柳沢駅間の西武新宿線立体交差事業のような新しい都市計画の決定のように、住民への影響が大きくても様々な事業を進めてきた経緯があります。半世紀以上前の計画線通りに道路を通すことに執着せず、住民とともにあらゆる可能性を考え、最善の策を導き出すべきです。
多くの人々が大二中のたくさんの桜が咲き誇る風景を楽しみにしています。道路ありきではなく地域住民の暮らしや、さらなる教育環境向上の視点で取り組み方針を見直すことを求めて、討論を終わります。