いったい事業費はいくらになるのか⁉東京外環道
1月13日(月・休)~15日(水)練馬区内の3会場で、東京外かく環状道路(関越~東名)のシールドトンネル工事の状況等を説明するオープンハウスが開催されました。
私は3か所のうち、15日の上石神井南地域集会所に行きました。この会場は、いまだに工法が決まっていない「青梅街道インターチェンジ(以下、青梅街道IC)」計画予定地のすぐそばです。
パネルを見ながらひと通り説明を受けたのち、3事業者(国交省、NEXCO東・中日本)との「意見交換の場」へ。
なぜ、ハーフインターチェンジなのか⁉
青梅街道ICは、ここから北に向かう大泉ジャンクション方面にしか行けないハーフインターチェンジ。東名高速道路方面には行けない構造になっています。
「ハーフインターチェンジ」で意味があるのか?これは、この地域にお住いの方が青梅街道IC計画に反対する理由のひとつになっています。
今回、意見交換の場に参加された方の中には、道路工事前の家屋調査がきっかけになって「初めて北側にしか行けないインターチェンジ」であることを知った、という方がおられました。その方は、「一方向にしか行けないのなら無駄な工事だ。インターチェンジはやめるべき。どうしたら止められるのか」と発言していました。
事業費はいくらかかっているのか?
私が意見交換の場で質問したのは、主に事業費のことです。
事業評価は、5年に1回実施されるとのこと。前回が2020年。
国土交通省関東地方整備局が2020年7月30日に開催した事業評価監視委員会で、
・東京外かく環状道路(外環道)大泉ジャンクション(JCT)―東名JCT間の事業費が、これまでの見込みから7600億円増えて2兆3575億円に膨れ上がること
・当初に見積もった事業費1兆2820億円の2倍近くに増大したこと
が明らかになりました。
それから5年が経過。事業の再評価は、早くても今年の5月以降の公表になるだろう、とのことです。
この5年の間に
・調布市の住宅地での陥没事故
・大泉ジャンクション内でシールドマシンの部品が損傷し、掘進停止
・大泉から掘進しているシールドマシンのスクリューコンベヤーの故障(事業者は「変状」と説明)し、掘進停止
など、明らかになっているだけでも複数のトラブルが生じていて、被害住民への補償や地盤改良工事、部品の補修などが行われています。さらに、工事期間が延長することによる新たな経費負担もかかると考えられます。機会を捉えて度々費用について質問してきましたが、事業者はそれらの経費について一切、説明して(できて)いません。
2020年の再評価でB/C(社会的費用便益比、費用対効果)が1.01。「1」を下回れば効果よりも費用の方が上回るという考え方です。
上に示したように、補償や補修に費用がかかることを考えれば、1を下回るのは容易に想像できるのではないでしょうか。
事業費がいくらになるのか。資材高騰の折から、相当な金額になることが考えられます。
せめて、事業着手していない青梅街道ICは計画を見直し、中止すべきです。