鹿児島県 食育推進体制について 保健福祉委員会視察報告②
保健福祉委員会の視察、2日目は鹿児島県の食育推進事業についてのレクチャーでした。
鹿児島県は、地産地消を基本とした健全な食生活の推進を目的として「かごしまの“食”交流推進計画」を2001年度に策定。
現在、2021年度から25年度までを計画期間とした第4次計画を実施しています。同計画では、栄養バランス等に配慮した食生活を送っている人の割合などについて具体的な数値目標を設定し、
ライフステージに合わせた食育の推進
効果的に食育を推進するための取組
を方策として掲げています。
2022年8月、県・県教育委員会・JAグループ鹿児島の三者による食育に係る連携協定を締結。
連携事項は、下記の3項目
1農業体験活動の推進
2農業の理解につながる食育の推進
3学校給食における地場農畜産物の活用促進
将来の社会を担う子どもたちに、農業の役割、食の楽しさや大切さなどについて理解を促すことを目的としています。
協定に基づき、食育支援リストに登録された「食育に取り組む」個人、事業者、自治体、JA,漁協などが、子どもや保護者などの希望に応じて、生産活動体験や出前授業を行っています。
2023年度には「かごしまの食」理解促進事業として、県産食材活用メニューコンテストや、コンテスト入賞者と飲食店、コンビニ等とによる商品化に向けたマッチング交流会を実施。入賞した作品の中からスーパーやコンビニとマッチングして商品化されたものもあり、幅広い年代の県民に対して食への関心を高められたとのことです。
鹿児島県は、農業が地域経済を支える基幹産業。
耕地面積の畑地率は約7割、畑の面積は全国第2位の77,100ha。
2022年度の農業産出額は全国2位の5,114億円。
品目別では、上位4位までが肉用牛、豚、ブロイラー、鶏卵と畜産が占める。以下、米、かんしょ、茶、馬鈴薯の順となっています。
計画の数値目標のひとつに「学校給食における地場産物(重量ベース)の利用割合」があり、2023年度64.6%を70%以上にする目標です。20年度64.0%、22年度64.4%と上昇傾向にありますが、農業県であるのに7割弱の現状について質問したところ、学校給食はセンター方式とっており、大量に使うこととコスト面を考慮し、県外や輸入品を使わざるを得ないのではないか、とのことでした。
農家(農業)の継承問題は、鹿児島も例外ではなく、JAとの提携協定はそういった課題も考慮しているとのことでした。
2023年度「かごしまおいしいもの選手権」は、鹿児島県の地産地消の取組を進めるため、県内高校生を対象に実施する県産食材を活用したメニューコンテスト。
16校301作品がエントリーし、入賞作品17点が選定されました。パンフレットに掲載された作品は、いずれも工夫が凝らしてあり、おいしそうなものばかりで食べてみたいと思いました。県内の調理科や生活科などの教育課程がある高校の生徒が意欲的にとりくんでいるとのことでした。
食べることは生きること。
食を通して、自身の健康や地域の農業に関心を寄せるテーマは練馬にも共通することだと思います。政策提案の活かしていきます。