熊本市こども発達支援センター 保健福祉委員会視察報告①
子どもの発達がゆっくりだったり、何か障害の疑いがあったりするときに、こども発達支援センターで相談することができます。
こども発達支援センターは児童福祉法第43条で定められた児童福祉施設で、「児童発達支援センター」「子ども発達支援センター」「発達支援センター」「療育センター」など、地域によって名称が異なる場合もありますが、地域の中核的な療育支援施設として、障害児とその家族のための相談や療育など、総合的な支援をしています。
10月17日(木)、保健福祉委員会の視察で熊本市こども発達支援センターを見学しました。
熊本市子ども発達支援センターでは、2018年度から講座やロールプレイを通して、発達障害やその疑いがある子どもの行動を理解し、効果的なかかわり方学ぶ中で、より良い親子関係づくりと親子それぞれの自己肯定感を高めることを目的にした事業に取り組んでいます。
・ペアレント・トレーニング
対象:発達障害のある子どもの適応行動を増やす効果があるとされているため、センターで何らかの支援を受けている保護者
スタッフ:主担当は、心理相談員、言語聴覚士、作業療法士等、専門職
プログラム期間等:毎週、2か月間、全8回
・ペアレントプログラム
対象:診断や支援の有無に関わらず、子育てに困りごとを持つ保護者
スタッフ:主担当は保育士 副担当は心理相談員、言語聴覚士、作業療法士等、専門職
プログラム期間等:2週間/回、3か月間、全6回
ペアレントプログラム、トレーニングともに、申し込み、参加はほぼ母親という状況。「父親にも理解してほしい」と夫婦での参加希望も増えてきているが、申込者が多いため今のところ(どちらか)ひとりという状況とのことです。
講座終了から3か月後に実施するフォローアップの講座は、受講者のほとんどが参加しているそうです。子どもの年齢が近い参加者を同じグループにして共感を生みやすくする工夫をするなど、仲間づくりの役割もあると感じました。
参加者からは、
「子育てに自信を持つことができた」
「対応を変えたことで子どもの行動が変わり家の中が明るくなった」
「子どもが落ち着いてき、穏やかに話せるようになった」などの感想が寄せられているとのことです。
現在は、こども発達支援センターのみの実施ですが、市内全域で実施できるよう人材育成をすすめるなど、引き続き障害のある子どもや家族の支援体制を充実していくとのことでした。
・絵本「やっぱりおうちがいいな」
2016年熊本地震を経験した子どもが「家に入るのを怖がる」「夜になるとパニックになる」などの相談がこども発達支援センターに寄せられたことから、そのような子どもたちが元の生活に戻れるように作成したそうです。
1000部印刷し、保育園、幼稚園、小学校のほか、区役所窓口に置いたり、保健師の巡回相談および家庭訪問などに活用しました。
「やっぱりおうちがいいな」はこちらからご覧いただけます
こども発達支援センターは、発達に遅れや課題を抱える子どもたちの成長をサポートする重要な役割を担っています。練馬でもさらに充実するよう注視していきます。