現状の社会保障制度のままで、議員の厚生年金加入はNO!

練馬区議会第三回定例会が閉会しました。
10月11日の最終日、議員提出議案第1号「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書」が提出されました。

今、特に地方で「議員のなり手不足」もあり、地方議員の処遇を改善しよう(したい)という動きがあり、全国市議会議長会が各議会での意見書の協議、採決についての協力を呼び掛けています。
議会から国や関係機関などに提出する「意見書」の取り扱いは、議会のよって様々なルールがあります。
練馬区議会では、全会派一致したものを「意見書」として提出するのが慣例となってきました。ところが、今回は「幹事長会でまとまったので、提案者として連名しますか?」という段階ではじめて文案を確認することになったのです。

議長を除く49名で採決した結果、
賛成42名 反対7名(維新の会、つながる、みどりの風、生活ネット)
で可決されました。

議員の処遇に関することなので、全議員で意見交換して意見書案をまとめるなどの手順が必要だったと思います。
そんな思いも込めて、反対討論に立ちました。
本会議の動画はこちらから。やないの反対討論は2時間47分ごろからです。
皆さんのご意見をお聞かせください。

以下、討論原稿です。

生活者ネットワークを代表して、議員提出議案第1号「厚生年金への地方議会議員の加入を求める意見書」に対し、反対の立場で討論をおこないます。

 生活者ネットワークは、ライフステージの一時期、さまざまな経験を持つ多様な市民が政治に参画することが有意義であると考え、普通の市民が選挙に立候補できるしくみをつくり、議員は交代制で活動しています。議員特権を解消し、政治を身近な生活の道具とするためです。だからこそ、幅広い層の政治参加や、多様な人材が議会に参画できる環境を整えることは重要であるという考えには賛同します。 

 意見書には、「地方議会議員が厚生年金に加入できるようになれば、自身や家族の将来を憂慮することなく、安心して議員活動に専念できる環境が整うことになる」とあります。つまり、現在の国民年金の不備を指摘しているのだと受け止めます。確かに「国民年金」だけでは、とても“老後の安心”にはなり得ないのが現状です。しかし、それは、議員だけの問題ではなく、厚生年金に加入できない個人事業主やフリーランスの方々も同様です。国民年金に加入している中から地方議会議員だけ、厚生年金に加入できたほうがよいという正当性は、どこにも見当たりません。
少子高齢社会において、「公的年金制度」そのものの抜本改正は、避けては通れない問題であり、早急に是正すべきです。そして、それこそが議会、議員の果たすべき責任だと考えます。特に、国政政党に所属する議員の皆さんには、国会で議論が進むようご尽力いただきたいと思います。
 

 厚生年金は事業主と被保険者の双方が保険料を負担するしくみです。議員が厚生年金に加入したときの事業主は練馬区であり、原資は区民の税金です。2023年度決算説明書の議会費には、旧地方議会議員年金制度の負担金として「共済費」約1億1千500万円が記されています。旧制度の負担金が今後も続く中、「新たな公費負担」に対して区民の理解が得られるでしょうか。 

そもそも、議員の処遇に関することを全議員での討議もないまま意見書案をまとめ、議員提出議案とすることを容認することはできません。今まで述べてきたことに対する皆さんそれぞれのお考えを伺う機会がなかったのは残念でなりません。 

以上で生活者ネットワークの討論を終わります。