予算編成過程の公表や参加型予算で開かれた区政へ~2024年度予算質疑より~

予算と住民参加

住民参加型予算

近年、議会での審議・議決にとどまらず、直接的な住民参加の機会を求める動きがあります。
「参加型予算」とは、区民の意見を直接的に行政活動に反映させ、区政を身近に感じてもらうために予算編成に関与し、その意思を反映させるしくみです。
杉並区では、2024
年度の森林環境譲与税の使い道を「区民から提案をしてもらって、区民投票を実施し予算編成に反映していく」事業を実施しました。初年度の取り組みについては、提案の中には森林環境譲与税の目的に沿わないものがあって、区民への説明が適切だったのか、また、区民投票数約7000だったことの評価など、課題があると聞いています。
しかし、継続していくことで区民の理解が深まり、広がっていくことが期待されるのではないでしょうか。

予算編成過程の公表

区民への説明責任を果たす、区政参画などを促す、予算編成の質の向上を図るなどを目的として、予算編成過程を公表している自治体があります。23区では分かりやすいと感じます。
埼玉県富士見市は、さらにわかりやすく、事業名と事業内容、前年度の当初予算、各部局からの要求額、第一次審査の金額、最終審査の金額、主な審査内容を表にまとめています。
住民向けの資料に事業の担当課の連絡先も明記し、問い合わせに対応する姿勢を示す自治体もありました。さらに、予算過程で住民の声を直接反映させるしくみととらえている自治体も見受けられます。

区政への区民参加を進めるためには、行政情報の積極的開示が不可欠であり、特に財政は、事業の裏づけでもあるので、予算編成過程も含めた公開を度々求めてきました。

しかし区は、「議会制民主主義の下では、何が区民全体の利益か判断するのが、区民の代表である区議会の皆様や区長の責任であると考えている」とか「区長も就任以来、練馬の未来を語る会の開催や、毎日のように地域に出かけて、多くの区民の皆さんと話合いを重ねている」「区は、各事業を進めていく中で、区民や関係団体の皆様から様々な御意見や御要望を伺い、施策や計画の検討段階では、区民意識意向調査やアンケート、様々な審議会や懇談会など、多様な手段を用いて幅広く御意見を伺っている」と答え、「住民が参加する予算」には否定的です。

予算編成過程の公表や市民参加型の予算は、納税者として財政をチェックする、さらに区政に積極的にかかわる区民を広げていく取り組みの一環だと考えます。引き続き検討を求めていきます。